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作成日:2008年4月17日_記事番号:T00006838
愛之味製品の回収相次ぐ、生乳集荷は農協職員の犯行か
食品大手愛之味の牛乳に病気にかかった牛から採集した生乳が使用されていた疑いが浮上したことを受け、小売業界では16日、同社が生産する牛乳ブランド「将軍鮮乳」「高原鮮乳」の販売を中止する動きが相次いだ。一方、捜査当局は同日、雲林県農会(農協)の職員が病気牛の生乳の集荷を指揮していた疑いを強め、関係者からの事情聴取を続けた。17日付蘋果日報が伝えた。
愛之味は、農場から生乳を集荷する運転手の個人的行為であり、同社も被害者だとして、会社ぐるみでの関与を否定。責任の所在が明らかになるまで、問題の生乳が加工された「苗栗県農会酪農鮮乳加工廠」で製造された牛乳の販売を中止し、損害賠償や契約解除も辞さない姿勢を示した。
愛之味低温流通事業群の鮑沢民総監は記者会見で、問題の生乳を貯蔵してした「文彬牧場」は同社の契約業者ではなく、過去に取引関係はなかったと説明した。
一方、苗栗、雲林両県の捜査当局は、苗栗県農会酪農鮮乳加工廠や文彬牧場に対する立ち入り検査を実施し、関係者14人から廃棄物処理法違反の疑いで事情を聴いた。
調べによると、病気牛の生乳の集荷を指揮していたのは、雲林県崙背郷農会の男性職員(46)で、崙背郷の農場7カ所から病気牛の生乳を回収後、文彬牧場の低温タンクに保管。その後、生乳回収車の運転手(52)らに転売され、苗栗県農会酪農鮮乳加工廠に流れていた。
このほか、中華民国消費者文教基金会は業者に対し、問題の牛乳を飲んだ消費者に対する健康診断を実施し、もし体調不良を訴える消費者がいれば、証拠資料を集めた上で消費者に代わり損害賠償訴訟を起こすこともあり得るとの立場を表明した。