ニュース 医薬 作成日:2017年1月10日_記事番号:T00068412
台湾浩鼎生技(OBIファーマ)の乳がん新薬をめぐる贈収賄とインサイダー取引事件で、士林地方法院検察署は9日、中央研究院(中研院)元院長の翁啓恵容疑者を収賄罪で、OBI董事長の張念慈容疑者を贈賄罪で起訴。張容疑者らOBI幹部5人を証券取引法違反の罪でそれぞれ起訴した。10日付工商時報が伝えた。
士林地方法院検察署は9日、記者会見を開いて翁容疑者、張董事長らの起訴について説明した(9日=中央社)
翁容疑者は中研院が開発した乳がん新薬の技術移転に関連し、2012年11月に娘の翁郁琇氏を通じ、張容疑者からOBIの株式300万株を取得し、12月に高値で売り抜け、1億元近い利益を挙げていた。これに先立ち、11年にはOBIが技術の現物出資による新株150万株を発行し、翁容疑者の手に渡る予定だったが、経済部から待ったがかかり断念していた。このほか、中研院から張容疑者系の企業に「酵素糖分子」に関する技術が不当に無償で供与されていたことも判明した。
起訴を受け、翁容疑者は「みだりな起訴に驚きと憤慨を感じる」とコメント。株式は自己資金で取得したものであり、中研院長の職務とは無関係だと主張した。OBIは「張董事長らの潔白を深く信じ、司法を通じ正義を勝ち取りたい」とする声明を出した。
今回の事件は、特に臨床試験結果がインサイダー取引の材料にされたという点で、株式市場の信頼を大きく損ねた。バイオ医薬関連銘柄の時価総額(新規IPO銘柄を除く)は、OBIの乳がん新薬「OBI-822」の臨床試験結果発表後に17%も縮小。1日当たりの売買代金も半減している。特に事件の舞台となったOBIの株価は高値の681元から一時226元まで急落。9日は302元で引けた。
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