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記事番号:T00068425
2017年1月11日15:24

 鴻海精密工業が10日発表した2016年連結売上高は4兆3,569億台湾元(約15兆8,600億円)で前年比2.81%減と、91年の台湾株式市場上場以来、初の前年割れとなった。米アップルのスマートフォン「iPhone7」の販売が従来製品ほど振るわなかったことが要因だ。アップルに依存する成長の限界が初めて示された形だが、同社はこの事態を予見して業務幅の拡大や、ブランド事業であるシャープを取り込むなど業態転換を進めてきており、11日付工商時報は、鴻海は新たな成長エンジンを獲得しており、減収に見舞われたとはいえ依然恐れるものはないと評した。

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 鴻海の12月連結売上高は4,496億3,900万元で同月としては過去3番目の高水準だったが、前月比6.4%減と市場予測の「少なくとも前月から横ばい」を大きく下回った。第4四半期連結売上高は1兆4,022億4,300万元で前期比30.4%増だったものの、前年同期比では1.92%減だった。

 16年の減収について証券会社は、比較対象の15年の業績が良かったことに加え、iPhone7/7プラスの販売不調が要因と分析。4.7インチのiPhone7の受託生産を鴻海と分け合っている和碩聯合科技(ペガトロン)の12月売上高は前月比33%減、前年同月比27%減となっており、「台湾を支えてきたアップル神話の崩壊の予兆が見えた」と指摘した。

 鴻海は依然、アップル製品の受託生産が売上高全体の50%以上を占めており、アップル製品の売れ行きの売上高への影響は大きい。なお、発売10周年を迎える今年、iPhone次世代機種が観測通り大幅なモデルチェンジを実施すれば、空前の買い替えブームが起きて、鴻海は今年再び増収を取り戻す可能性がある。

利益率を追求

 鴻海の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長は2年前、「売上高4兆元規模の企業が10~15%増収を維持することは不可能」と発言しており、売上高よりも利益率の引き上げを課題に挙げていた。ちなみにアップル製品は売上規模は大きいものの、利益率は高くない。

 以来、▽クラウド▽モバイル▽IoT(モノのインターネット)▽ビッグデータ▽スマート化▽インターネット──にロボットを加えた「雲移物大智網プラス機器人」計画の推進の他、昨年はシャープやノキアのフィーチャーフォン事業を買収した。シャープは昨年第4四半期に早くも黒字転換を果たし、ノキアは近く初のアンドロイドOS(基本ソフト)のスマートフォンを中国で発売と、鴻海らしい素早い展開を実現している。「アップルの代わり」はすぐに見つかるわけもないが、シャープもノキアフューチャーフォン事業も、いずれも新たな成長をけん引する柱として期待をかけている。

【図】

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