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中国空母「遼寧」、台湾海峡を通過


ニュース 政治 作成日:2017年1月12日_記事番号:T00068476

中国空母「遼寧」、台湾海峡を通過

 中国海軍の空母「遼寧」率いる6隻編成の艦隊は11日朝から12日未明にかけ、台湾海峡の中間線西側の公海を南から北に14ノットというゆっくりとした速度で通過した。12日付中国時報が伝えた。

 台湾軍は海軍のキッド級駆逐艦、成功級フリゲートなど6隻、空軍の戦闘機IDF(経国号)、F-16などを周辺に派遣し、艦隊の動向を監視した。中米ニカラグアを訪問中の蔡英文総統も国家安全会議(国安会)の陳俊麟副秘書長に電話をかけるなどして状況把握に努めた。

 総統府の黄重諺報道官は「安全保障部門によると、遼寧は訓練艦の状態で、(中国側が主張する)『全戦備状態』ではない」との見方を示した。

 今回の遼寧の台湾海峡通過について、中国の劉振民外務次官は「遼寧は近年ずっと訓練を実施している。台湾海峡は大陸と台湾が共有する国際水路であり、遼寧が訓練の過程で台湾海峡を往来するの正常なことだ。両岸(中台)関係にいかなる影響もない」と強調した。

 一方、中国海軍軍事学術研究所の張軍社研究員は「遼寧の艦隊が(沖縄から台湾に至る)第一列島線を超え、西太平洋に出たことは、台湾海峡での軍事衝突、米軍の増援といったケースに大陸が海域を封鎖する能力があることを示したものだ」とし、遼寧の今回の動きは「台湾海峡で予想される不確定要素に準備を整えるものだ」と指摘した。

/date/2017/01/12/18china_2.jpg中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の馬暁光報道官は11日、「遼寧」の遠海訓練は計画通り実施されたものと説明した(11日=中央社)

 中台間の軍事バランスは急速に中国優位に傾いている。2020年には中国が国産空母を加えた空母2隻を就役させるとみられるのに対し、台湾の潜水艦国産化計画は遅れており、進水は25年にずれ込む見通しだ。

 台湾の軍事専門家、施孝瑋氏は「台湾の経済的実力からみて、中台の軍事力のアンバランスはもはや補うことができない。軍事競争では勝てない」と断言した。