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群創のパネル生産、来年に調整も


ニュース 電子 作成日:2008年4月17日_記事番号:T00006857

群創のパネル生産、来年に調整も

 
 群創光電(イノルックス・ディスプレイ)の段行建董事長は16日、建設中の第6世代工場について、来年は供給過剰を視野に生産スケジュールの調整を行う可能性を指摘した。大手パネルメーカーの経営陣が生産調整に触れたのは、昨年来のパネル景気の好調局面で初めてで、変化の節目となる兆候なのか注目される。17日付工商時報が報じた。
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 第6世代工場は、今年12月に設備を搬入した後、来年第2四半期に生産を開始し、第4四半期に量産に入るというスケジュール調整を検討しており、それによって供給過剰の悪影響を低減したい考えだ。

 段董事長は今年のパネル市況について、「大型パネル価格は上昇を始め、需給も安定している」とした一方、中小型パネルについては、「特に中型の変数が大きい。供給が大幅に増えたため、価格が低下するという予測の下、下流システムメーカーが調達をやや控えている。このため、価格圧力が比較的重くなっている」と指摘した。

自社供給率25%、最低水準

 群創は今年、液晶モニターの出荷台数目標を3,500万台としているが、年内は新たな生産能力拡大がないため、パネルを他社から調達せざるを得ず、自社生産による供給比率は近年では最低の25%となって、従来の設定目標である40%を大きく下回っているという。第6世代工場が稼働すれば、自社の大型モニター向けや30インチ以下の液晶テレビ向けのパネルを生産する予定だ。

 来年は第6世代工場前の28ヘクタールの用地を、新たな工場用地とする想定で取得する。しかし、現段階で具体的な計画は決まっていない。

新興市場進出を検討

 海外投資に関しては、中国・福建省アモイに建設する後工程モジュール工場が来年初頭には生産を開始する見通し。ベトナムではモジュール工場以外にも、将来的にはTFT工場を設置する可能性もあるとした。また、リスク分散の観点から、メキシコやブラジル、ロシアなど新興市場にも生産拠点設置を検討していることも明らかにした。 

 群創の3月売上高は155億600万台湾元(約521億円)で、前月比41%増。単月売上高としては、過去3番目となった。第1四半期は台湾元高で約5億元の為替差損が出たため、段董事長は、「今年の出荷目標を6~7%引き上げなければ、損失を埋められない」と語っている。今年の売上高のピークは、昨年と同様の9~10月と予想している。