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老舗遊園地の経営悪化深刻、宗教施設への転換例も


ニュース 社会 作成日:2017年1月18日_記事番号:T00068589

老舗遊園地の経営悪化深刻、宗教施設への転換例も

 1980~90年代に開業し、一時は大勢の入場者でにぎわった遊園地など老舗娯楽施設が、ゲーム機の普及など娯楽の多様化や新型の娯楽施設の出現に伴って厳しい経営状況に追い込まれている。こうした中、特色を打ち出して生き残りを図る遊園地がある一方で、別の事業への転換や閉園に追い込まれるケースも多いようだ。

/date/2017/01/18/19themepark_2.jpg火炎山温泉渡暇村は、恐竜をテーマにしたイベントを最後に春節(旧正月)明けに幕を閉じる(同村フェイスブックより)

 約30年前、苗栗県苑裡鎮にオープンした遊園地「火炎山温泉渡暇村」はジェットコースターなどのアトラクションに加え、西遊記をテーマとするキャラクター、十二支をモチーフにした像などが話題を呼び、1日に観光バス100台が押し寄せる人気を誇った。

 しかしその後、台中市の「月眉育楽世界(現・麗宝楽園=リーパオランド)」、雲林県の「剣湖山世界主題楽園」と、周辺に新型のテーマパークが相次いでオープンしたことを受け、入場者は減少の一途をたどった。火炎山はマジックや中国・四川省の伝統芸「変顔」、ロシア舞踏といったショーを目玉に打ち出して生き残りを図ったものの、厳しい経営状況には勝てず、このほど閉園が決定した。今後は宗教施設に姿を変える予定だ。

 新竹県関西鎮の羅馬公路沿線には80年代終わりごろ、数多くの遊園地が開設され大勢のレジャー客を集めたが、現在は飲食店やキャンプ地、宿泊施設などに姿を変えている。

 300種の動物が見られることをうたい文句に94年にオープンした台南市の「頑皮世界野生動物園」も、近年の急速な少子化に伴って経営状況が悪化しているが、同園では環境教育施設としての認証を取得したほか、クレジットカードでの支払いに優待サービスを提供するなど、入場者の維持に向けた努力を続けている。

 また、79年に動物園として新竹県にオープンした後、94年にテーマパークへと転換した「六福村主題遊楽園」は飲食エリアや宿泊施設を併設することで、ミニチュア建築物の展示で知られる桃園市の「小人国主題楽園」も定期的に新型アトラクションを導入することで人気の維持に成功している。

 専門家は「娯楽施設を訪れる市民は新しいもの、刺激的なものを求めており、新鮮味がなくなればすぐに離れていく」と指摘。生き残りを図るには▽テーマやターゲット層を明確にする▽ローカル色を打ち出したイベントを実施する▽ホテルやアウトレットモールを併設するなど消費者が施設内で多様な娯楽を楽しめるようにする──といった方策を提言している。