ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

外来アリを違法輸入、農作物や生態系に影響も


ニュース 社会 作成日:2017年1月19日_記事番号:T00068618

外来アリを違法輸入、農作物や生態系に影響も

 電子商取引(EC)の普及により、個人で海外から簡単に商品を輸入することが可能となっているが、中には台湾への持ち込みが禁じられている動植物を輸入するケースも増えており、当局を悩ませている。こうした中、苗栗県に住む男がこのほど、ECサイトを通じて中国から大量のアリを違法輸入し、台湾で転売していたことが明らかとなった。

/date/2017/01/19/19ant_2.jpg押収されたアリの中には、人をかむ凶暴なアカアリなども含まれているという(18日=中央社)

 この男は、中国の大手ECサイト「淘宝網(タオバオ)」を通じ、1匹当たり数百台湾元でさまざまな種類のアリを購入して小包郵便で台湾に輸送させ、自宅で試験管に入れて飼育。その後、オークションサイトを通じてアリの飼育を趣味とする市民などに販売していた。新疆ウイグル自治区産のアリを400元で購入して1,000元で販売するなど、かなりの荒稼ぎをしていたようだ。なお苗栗県警が男の自宅から押収した外来アリは約1,000匹に上った。

 アリの研究を専門とする彰化師範大学・生物学系の林宗歧副教授によると、今回押収された外来アリの中には植物の種や樹木を食べるものも含まれており、逃げ出したり、捨てられたりした場合、台湾の農作物や建物に被害が出るほか、生態系に影響を及ぼす危険性があると警告した。

 行政院農業委員会(農委会)動植物防疫検疫局(防検局)は、ECサイトを通じて簡単に海外から購入できるようになったことから、市民が違法とは知らずに台湾の農作物や生態系に害を及ぼす動植物を輸入するケースが増えていると指摘した。現在、海外のEC業者に対し、ユーザーが違法な商品を購入できないようにするシステムを導入するよう要請している。

 ただ、タオバオは台湾市民の多くに利用されているにもかかわらず、防検局の要請に応じておらず、違法な輸入の防止は通関での検査に頼っている状況だ。しかしこの方法では違法な動植物を100%発見するのは困難なため、同局ではより踏み込んだ対策を採るか検討している。