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作成日:2008年4月18日_記事番号:T00006864
江丙坤氏の北京訪問、「共同市場が最重要テーマ」
対中交流窓口である海峡交流基金会の次期董事長就任が決まっている江丙坤国民党副主席は18日、5月初旬の北京訪問では、中国側と共同市場の推進が最も重要なテーマになるという考えを表明した。
江氏は、「台湾は中国との経済・貿易関係をできる限り早く正常化させ、共同市場を創設しなければならない。他の国々が自由貿易協定(FTA)を相次いで成立させる中で、台湾はこのままでは関税優遇を受けられなくなって競争力を失い、孤立してしまう」と語り、中国との共同市場創設が、国際経済の枠組みの中に残るための重要な手段であるという認識を示した。その上で、「残された時間は多くない」と述べ、2010年に本格的に始動する中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)とのFTAに対する危機感をにじませた。
江氏によると、現在、台湾から中国への輸出を行う場合6.5%の関税がかかり、粗利益率が1%程度のエレクトロニクスメーカーにとって非常に厳しい条件になっている。そして、中国とFTAを結んだ国は関税が免除されるため、台湾は最初から競争にならない。
江氏はまた、2005年の連戦国民党主席(当時)と胡錦濤中国国家主席との会談で関税とFTAの問題が話し合われたが、FTAは国家の名称問題にかかわるため、「共同市場」というコンセプトが打ち出されたと説明。「共同市場」の創設を最終目標とし、「中国大陸が共同市場に着手すれば、東南アジア諸国が台湾とFTAを結ぶことに反対することはない」と指摘した。