ニュース 社会 作成日:2017年1月23日_記事番号:T00068670
中国の華北地方では近年、スモッグの発生が深刻な問題となっており、特に石炭ボイラーを用いた暖房システムが稼働する冬季は大量の大気汚染物質が発生し、外出時にはマスクが欠かせない状況となっている。さらに中国で発生したスモッグは台湾や韓国、日本といった周辺国・地域に流れ出して影響を及ぼしており、対策が求められている。
環境保護署(環保署)監資処の張順欽処長によると、中国・華北地方で発生したスモッグは、風によって華中、華南一帯を経由した後、台湾へと運ばれる。上海の大気汚染物質濃度を基準とすると、台湾の汚染状況は2分の1~3分の1程度に薄められるそうだが、スモッグの流入が予想される際、環保署では心臓や気管支に疾患を抱える患者、高齢者、子供などに対し、屋外での活動を控えたり、マスクを着用するよう注意を呼び掛けている。
なお統計によると2005~13年に発生した中国から台湾へのスモッグ流入は06年および13年の年間6回が最多で、平均は年4回。時間にすると、09年の9日間に相当する224時間が最多で、平均では119時間となっている。
気象局予報センターの鄭明典主任は、中国で発生したスモッグが台湾に流入する条件として▽高気圧が南へ移動し、北東からの風が吹くこと▽湿度が低いこと──の2点を挙げた。湿度が高いと、空気中の微細な物質が水を多く含むことで台湾に運ばれる前に海へ落下する確率が高まるのだという。
なお今冬の状況について鄭主任は、「例年に比べ影響は小さい」と指摘。今年は高気圧が南へ移動するケースが少ない上、これまでに中国から到来した寒気団は水分を多く含んでいたことから深刻な問題は生じていないとの見解だ。
ただ中国の専門家は「華北地方の主要都市が一体となってエネルギー構造や産業構造の改善を進めたとしても北京の冬に青空が戻るのは10~15年後」との見通しを示しており、今後も当分は台湾でも影響が免れ得ない見通しだ。
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