ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム 会社概要 採用情報 お問い合わせ

コンサルティング リサーチ セミナー 在台日本人にPR 経済ニュース 労務顧問会員

《桃園空港MRT3月開通》20年越し念願の開通、3月2日台北〜桃園空港35分に


ニュース 運輸 作成日:2017年1月26日_記事番号:T00068735

《桃園空港MRT3月開通》20年越し念願の開通、3月2日台北〜桃園空港35分に

 台北駅と桃園国際空港を最短35分で結ぶ台湾桃園国際機場捷運(桃園空港MRT)が3月2日に開通する。台湾最長となる全長51キロメートルの全21駅を15分に2本の間隔で運行する。1996年の計画から6回の開通延期を経て、20年越しの念願の開通だ。従来バスやタクシー頼りだった空港までの交通アクセスが改善され、土地に不慣れな外国人も利用しやすくなる上、渋滞の心配がなくなるため、観光や通勤の足として活躍しそうだ。26日付蘋果日報などが報じた。

/date/2017/01/26/00mrt1_2.jpg車内では第4世代移動通信システム(4G)のWi-Fiを無料で利用できる。直達車は座席の下にもスーツケースを収容できる(25日=YSN)

 空港MRTの営業時間は午前6時~午後11時。列車種別は、▽台北駅(A1)▽新北産業園区(A3)▽長庚医院(A8、桃園市亀山区)▽桃園空港第1ターミナル(A12)▽桃園空港第2ターミナル(A13)──のみに停車する「直達車」(イメージカラー紫)と、台北駅から桃園空港、台湾高速鉄路(高鉄)桃園駅(A18)などを経て環北(A21、桃園市中壢区)まで全21駅に停車する「普通車」(イメージカラー青)の2種類。

 台北駅から第1ターミナルまでの運賃は160台湾元(約580円)で、所要時間は直達車が35分、普通車が48分。普通車で台北駅から環北駅まで全線乗車した場合は160元で所要時間79分。直達車、普通車いずれも15分間隔で運行する。開通後1カ月間は運賃半額とする。

 試乗した聯合報の記者によると、第2ターミナル駅から到着ロビーまでは徒歩3分足らず。スーツケース持参なら、出発ロビーまで5~10分ほどみておけばよさそうだ。

 空港MRTは、最低30元からの片道乗車券のほか、30日有効、60日有効、90日有効の定期券も発売する。平日1往復すれば、30~40%引きに相当するため、新北市新荘区、桃園市亀山区、蘆竹区南カン(山の下に坎)などから台北市への通勤が便利になる。悠遊カード(イージーカード)、一卡通(Iパスカード)など8種類のICカードも利用できる。

/date/2017/01/26/00mrt3_2.jpg日本の建築家、槇文彦氏がデザインした台北駅など、駅ごとに雰囲気を変化させている(25日=YSN)

 開通に先駆け、2月2~15日は団体限定、16日~3月1日は一般市民向けに運賃無料の試乗期間を設定する。一般市民向けの試乗期間中は午前7時40分、9時40分、11時40分、午後1時40分の4回、1日2万枚の番号札が駅で配布される。運行時間は午前8時~午後4時で、いずれの駅でも乗降車できる。

市内チェックイン可能に

 台北駅では、事前搭乗(チェックイン)手続きと手荷物の預け入れが可能になる。航空会社の公式サイトやアプリ、または台北駅のカウンターで搭乗手続きを行い、搭乗券(ボーディングパス)かQRコードを読み取らせ、スーツケースなどを預け入れる手順だ。フライト出発時間の3時間前までに手続きを完了する必要がある。営業時間は午前6時~午後9時30分。

 こうした市内チェックインは、アジアで4カ国・地域目。当面は、中華航空(チャイナエアライン)、長栄航空(エバー航空)、華信航空(マンダリン航空)、立栄航空(ユニー航空)のみで、2年間は無料だ。チェックインカウンターはセルフ式6台を含む合計14台。将来は42台まで増やす計画だ。

将来は6分間隔も

 鄭文燦桃園市長は25日の開通発表記者会見で、空港MRTの利用者が増えれば、将来は6分間隔で運行し、市内チェックインは新北産業園区(A3)駅、高鉄桃園駅(A18)にも設置したいと述べた。

/date/2017/01/26/00mrt2_2.jpg賀陳旦交通部長(左)から鄭桃園市長(右)に営業許可が手渡された(25日=YSN)

 また鄭市長はこれまでに、空港MRT開通により、台北市、新北市、桃園市で人口900万人を抱える、1時間生活圏が誕生すると話している。林口(A9)駅近くの「三井アウトレットパーク(MOP)台湾林口」(新北市林口区)など商業施設や、桃園体育園区(A19)駅近くの桃園国際球場など、ショッピングや観光のほか、週末を利用したアジアから長庚医院への医療観光(メディカルツーリズム)も増えそうだ。