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作成日:2008年4月18日_記事番号:T00006875
遠東紡織、経営多角化へ持ち株会社構想
遠東紡織が経営多角化に向け、持ち株会社体制への移行を進めている。単なる紡織メーカーとしてのイメージから脱却するため、近く社名変更を計画している。18日付工商時報が伝えた。
1954年に設立された遠東紡織は、売上高に占める紡織の割合が60%以下にまで低下し、化学工業、化学繊維などの売り上げが伸びている。このため、現有事業を紡織、土地資産開発、投資事業という3つの事業群を傘下に置く持ち株会社体制へと徐々に移行している。これに伴い、現在の社名も実態を反映しなくなっており、変更が検討されている。
遠東紡織の総資産1,400億台湾元(4,738億円)のうち、本業の紡織に関する資産は30%にすぎず、むしろ膨大な土地資産が成長可能性を秘めている。遠東紡織が全額出資した遠東資源開発は板橋、泰山、桃園、宜蘭などに20万5,000坪に及ぶ遊休地を保有している。今後は証券化や独自開発による収益が見込める。
また、投資事業には、亜洲水泥(アジアセメント)、携帯電話キャリアの遠伝電信(ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ)のほか、太平洋流通、宏遠興業、安和製衣、東聯、遠東百貨などがある。特に亜洲水泥、遠伝電信は本業の不振を補う「金の卵」となっている。
昨年には、中国・蘇州市に9,800万米ドルを投資し、ビール用ペットボトル工場を設置することも明らかにしており、6月までに量産に入る。また、今年3月には蘇州中比啤酒の株式取得を発表し、今夏から中国でビール販売にも参入する予定だ。