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桃園空港MRTが試験運行開始、開業まで改善努力


ニュース 運輸 作成日:2017年2月6日_記事番号:T00068753

桃園空港MRTが試験運行開始、開業まで改善努力

 台湾桃園国際機場捷運(桃園空港MRT)は2日、試験運行を開始した。試乗者からは車両がよく揺れる、車内の無料Wi-Fiの接続が途切れるなどの不満も聞かれた。鄭文燦桃園市長は、安定した運行で85点の出来と評価、台北市、新北市、桃園市をつなぐ重要な国家建設だと指摘し、3月2日の正式開業までに問題を解決すると表明した。1日当たりの旅客輸送量は延べ4万6,000人の予想だ。3日付聯合報などが報じた。

/date/2017/02/06/00mrt_2.jpg普通車に試乗した桃園市民は「桃園の誇りだ」と喜んだ(2日=中央社)

 試験運行の初便は午前7時52分に桃園市側の起点駅、環北駅(A21、中壢区)を発車した。鄭桃園市長とともに試乗した中壢区の住民からは、「本当に速い」など感激の声が聞かれた一方、「台北MRT(都市交通システム)より少し遅い」「座っていても揺れを感じる」「急な発車や停車で気分が悪くなる」などの声もあった。

 桃園空港MRTは16日から一般市民向けの試乗期間が始まり、3月2日に正式に開業する。試乗期間は無料、開通後1カ月間は運賃半額だ。桃園空港MRT台北駅(A1)から乗車した場合、桃園空港第1ターミナル駅(A12)以遠の通常運賃は一律160台湾元(約580円)。台北駅から空港第1ターミナル駅までの所要時間は直達車が35分、普通車が48分。

/date/2017/02/06/00airport_2.jpg桃園空港には大きな案内表示があるため、桃園空港MRTに乗り換える外国人が迷うケースは少なそうだ(YSN)

 台北MRTから桃園空港MRT台北駅への乗り換えは、▽松山新店線の北門駅、505メートル▽淡水信義線の台北駅、540メートル▽板南線の台北駅、470~675メートル──と少し歩くが、台北MRT中和新蘆線の三重駅なら桃園空港MRTの三重駅(A2)までわずか105メートルだ。

空港以南の利用が課題

 運営会社の桃園大衆捷運(桃園メトロ)は、桃園空港MRTは主に台北市内や台湾高速鉄路(高鉄)桃園駅(A18)~桃園空港の往復に利用されると見込み、台北駅~桃園空港までの各駅は乗車率79%と予測した。一方、桃園空港以南の各駅は乗車率17%で、桃園空港を跨いで乗車する旅客はわずか4%とみている。

 鄭桃園市長は、旅客輸送量だけで沿線の経済効果を測ることはできず、各駅からの接続が鍵となると述べた。

 高鉄桃園駅近くの大型アウトレットモール、華泰名品城(グロリア・アウトレット)は、一般市民向けの試乗が始まれば、台北市や新北市などから来店客が2~3割増えると見込む。高鉄桃園駅から車で5分の距離にあるショッピングセンター、大江国際購物中心(メトロウォーク)は休日に無料のシャトルバスを運行する。環北(A21)、今後の延伸区間の老街渓(A22)、中壢(A23)の各駅に近い中壢夜市(ナイトマーケット)も人出が増えると見込まれる。