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観光バス横転で33人死亡、花見ツアー暗転


ニュース 運輸 作成日:2017年2月14日_記事番号:T00068920

観光バス横転で33人死亡、花見ツアー暗転

 13日午後9時すぎ、北宜高速公路(国道5号)南港ジャンクション(JCT、台北市南港区)で観光バスが横転し、33人が死亡、11人が重軽傷を負った。花見の名所、武陵農場(台中市)ツアーの帰途だった。フォルモサ高速公路(国道3号)に合流するカーブを曲がり切れず、横転してバスの天井が剥がれたため、シートベルトを着用していなかった多くの乗客が車外に投げ出され犠牲になった。14時間以上の長時間運転による運転手(58、死亡)の疲労や居眠り、車齢19年のバスの老朽化などの可能性が指摘されており、事故原因の究明を急いでいる。14日付中国時報などが報じた。

/date/2017/02/14/00bus_2.jpg事故で車体は大きく変形し、上部は潰れてしまった(13日=中央社)

 今回の事故は、昨年7月に中国人観光客ら乗客乗員26人全員が死亡した観光バス炎上事故以来の大事故で、死者数は1986年の台中市谷関での観光バス転落事故(42人死亡、3人負傷)以来で最多だった。

 事故があった蝶恋花旅行社の日帰り花見ツアーは午前6時半に出発し、午後10時に台北に戻る予定だった。参加料金は1人1,100台湾元(約4,000円)。ツアー参加者は50~60代の中高年が中心で、外国人は含まれていない。死亡した運転手、ツアーガイド(58)を含む44人が乗車していた。

 命を取り留めた乗客の女性(54)は、事故当時は寝ていた人が多かったが、急カーブでバスが横転してあちこちから叫び声が上がったと話した。自身は運良く車外に投げ出されることはなく、無事に救出された後に現場を見ると、ひどい状態の遺体が数多く、まるで地獄のようだったと振り返った。

 生存者の救出活動は同日午後11時ごろまでに終了した。

時速60キロでスピード違反

 現場は急なカーブで、観光バスは制限速度の時速40キロメートルを上回る時速60キロのスピードが出ており、横転前にコンクリート防護柵に約30メートルの擦った跡が残されていた。事故車両は1998年4月製造で、次回の車検は17年4月16日の予定だった。

 交通部公路総局は、横転した観光バスは車齢19年近く、運転手は11年4月に大型バス免許を取得し、これまでに2回の交通違反歴があると指摘し、事故原因を究明すると表明した。運転手の交通違反は、シートベルト非着用、高速道路走行のタイヤ溝不足。

昨年8月にも死亡事故

 蝶恋花旅行社の弁護士は、事実確認に務め、負傷者の支援など果たすべき責任を果たすとコメントした。

 蝶恋花旅行社は1999年設立で、台湾域内の日帰りや1泊2日のツアーを中心に提供している。13日の事故を受け、14日、15日出発のツアーの催行を取りやめた。同社は昨年8月にも花蓮県の太魯閣(タロコ)の観光ツアーで、バスへの落石事故が発生し、1人が死亡、4人がけがをしている。