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17年GDP1.92%成長へ、輸出過去6年で最高見通し


ニュース その他分野 作成日:2017年2月16日_記事番号:T00068970

17年GDP1.92%成長へ、輸出過去6年で最高見通し

 行政院主計総処は15日、2017年GDP(域内総生産)成長率予測を1.92%へと、従来予測より0.05ポイント上方修正した。春節(旧正月、2017年は1月28日)が明け、今年初めて示す景気展望で、「やや楽観」から「安定的な楽観」へと見方を転じた。米トランプ政権の世界経済への影響を不確定要素とにらみつつ、半導体需要などによる輸出成長を好材料とし、2%成長を努力目標とする。一方、週休2日制(一例一休)導入により企業のコストは最大730億台湾元(約2,700億円)増えるものの、賃金相場が物価ほど上昇せず、個人消費は伸び悩むとの予測も示された。16日付経済日報などが報じた。

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 17年経済成長率の予測値1.92%は、2%に届かなかったものの、過去3年で最も高い数値だ。主計総処によると、昨年第4四半期の速報値は2.88%と従来予測を0.3ポイント上回り、過去7四半期で最高となった。昨年通年は1.5%と0.1ポイント上方修正した。

 国家発展委員会(国発会)の17年経済成長率目標2~2.5%と開きがあることについて主計総処の朱沢民主計長は、国発会の目標に向け努力するとコメントした。また、IHSグローバルインサイトの1月予測で、米国経済の成長率が2.3%と0.1ポイント上方修正されたことで、台湾の成長も0.07ポイント押し上げられるとの試算を示した。

 中華民国全国工業総会(工総、CNFI)の許勝雄理事長と中華民国工商協進会(CNAIC)の林伯豊理事長は2%台が可能との見方だ。林理事長は2.8%もあり得ると期待感を示した。

輸出8.5%成長へ

 輸出総額(米ドル建て)成長率の予測値は8.5%と、2年連続の前年割れを脱し、過去6年で最高となるとの見方だ。

 朱主計長は、輸出成長の理由として、半導体の強い需要のほか、▽主な貿易相手の経済回復▽原材料価格の反発上昇▽昨年の輸出総額の実績が低かったこと──を挙げた。

個人消費、伸び悩み

 他の経済指標の予測値は、▽1人当たりGDP、2万3,827米ドル▽個人消費成長率、1.75%▽民間投資成長率、1.85%▽消費者物価指数(CPI)上昇率、1.08%▽卸売物価指数(WPI)上昇率、1.53%──など。

 個人消費成長率は従来予測より0.01ポイントの上方修正だった一方、CPI上昇率は0.33ポイント上方修正した。主計総処は、一例一休導入により企業のコストは175億~730億元増える予測で、コストが川下や消費者向け価格に転嫁されてCPI上昇率が0.14~0.36ポイント押し上げられると試算した。

【図】