ニュース 石油・化学 作成日:2017年2月18日_記事番号:T00069024
台塑集団(台湾プラスチックグループ)は17日、米国と中国への5年で計154億米ドルの追加投資を表明した。一方、第6ナフサ分解プラント(通称六軽、雲林県麦寮郷)拡張計画は行政院環境保護署(環保署)の環境影響評価(環境アセスメント)が6年たっても審査を通過しておらず、王文淵(ウィリアム・ウォン)総裁は「どうして台湾に投資したくてもできないのか」と政府に対して不快感を露わにした。18日付蘋果日報などが報じた。
王総裁(中)は、台湾が好きなのになぜ投資できないのか、全く理解できないと訴えた(17日=中央社)
王総裁は、米国テキサス州から強い誘致を受けており、同州が提示した地域での投資を検討するため2月に視察を行ったと話し、今後1~2年以内に決定すると述べた。テキサス州の第4期工場に50億米ドル投じるほか、ルイジアナ州に94億米ドルを投資する計画がある。
台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス)の林健男董事長は、テキサス州への投資は1980年代の60億米ドルに、建設中の工場の50億米ドルを合わせて110億米ドルになると説明。新工場は全項目の認可が下りており、最大となるエチレンプラント(年産能力120万トン)は18年第2四半期に予定通り稼働すると述べた。
台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル)の陳宝朗董事長は、ルイジアナ州から15年9月に一貫生産計画の同意を得ており、20年に工場を着工して、22~24年に工場7基が全て稼働する予定だと話した。
両州への投資項目は、▽エチレン▽プロピレン▽ポリエチレン(PE)▽ポリプロピレン(PP)▽エチレングリコール(EG)──で、米国に台プラグループ主要4社が出そろうことになる。
米国投資環境を称賛
王総裁は、トランプ大統領は従来より石化投資に前向きで、米国はシェールガスを採取できるところが多く、シェールガスに含まれるエタンやプロパンを化学製品の原料にできる上、何より法治国家だと語った。
さらに王総裁は、第6ナフサ拡張計画は、エネルギー消費が減るのに台湾政府に認められないことが理解できないし、米国が認めている石油コークスを台湾政府がなぜ汚染物質と見なすのか理解できないと述べた。
台プラグループは、第6ナフサ拡張計画が進んでいないほか、台湾化学繊維(フォルモサ・ケミカルズ&ファイバー、台化)の彰化工場が昨年、ボイラー3基の設備操作許可証更新が認められず、操業中断を余儀なくされた。彰化県の環境保護団体は、周辺住民は環境汚染に我慢ならず、第6ナフサを拡張すれば、大気汚染が悪化するなどと強く反対した。
寧波、PIA粗利益率50%
台化の洪福源副董事長は、高純度イソフタル酸(PIA)は粗利益率50%と台化で最も高く、台湾で生産したいが、中国・浙江省寧波市で作るしかないと述べた。追加投資は最大10億米ドルで、19年の稼働予定だ。
投資項目は、▽PIA新工場(年産能力20万トン)▽フェノール工場の拡張▽老朽化した高純度テレフタル酸(PTA)工場の更新──を検討している。
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