ニュース 鉄鋼・金属 作成日:2017年2月22日_記事番号:T00069101
財政部関務署は21日、中国や韓国など6カ国から輸入する鉄鋼製品に対し、5年間の反ダンピング(AD、不当廉売)関税を課すと発表した。税率は4.02~80.5%で、昨年8月22日まで遡及(そきゅう)して適用する。低価格の輸入鋼材流入による価格破壊を食い止めるため、台湾の鉄鋼業界で初となる制裁関税に踏み切った。政府系鉄鋼最大手、中国鋼鉄(CSC)の劉季剛総経理は「大きな意義がある」と評価した。年産額700億台湾元(約2,600億円)以上の鋼材が保護される一方、川下の中小メーカーは調達コストの増加によって打撃を受ける見通しだ。22日付経済日報が報じた。
CSC、燁輝企業など6社は昨年、中国や韓国製の亜鉛めっき製品に対する反ダンピング関税措置を財政部に申請した。CSCは▽中国▽韓国▽インドネシア▽インド▽ウクライナ▽ブラジル──製の炭素鋼鋼板に対する反ダンピング関税措置も申請した。
これを受けて財政部は、めっきコイルについて▽中国メーカー、関税率4.22~43.38%▽韓国メーカー、77.3%──、炭素鋼鋼板については中国メーカーに41.47~59.57%、韓国メーカーは▽ポスコ、4.02%▽現代製鉄(ヒュンダイスチール)、42.91%▽その他、80.5%──、その他4カ国のメーカーには17.91~42.91%の課税を決めた。
一方、中国の沙鋼集団、莱蕪鋼鉄集団、普陽鋼鉄および韓国のヒュンダイスチールの4社は、調査に協力し、価格約束を締結したため、今年3月12日~21年8月21日の期間は反ダンピング関税が免除される。
中小加工メーカー、存続の危機
鋼板は主に工事、造船、機械などに使用され、台湾はこれまで年間40万トンを輸入していたが、近年は低価格の輸入品が横行し、輸入量が50万トン以上に増えていた。
反ダンピング関税の発動で恩恵が予想されるのは、CSCをはじめ、▽中国鋼鉄結構(CSSC)▽中鴻鋼鉄▽燁輝企業▽盛餘(SYSCO、センユースチール)──などの川上メーカーだ。一方、川下メーカーの▽春源鋼鉄工業▽世紀鋼鉄結構▽新光鋼鉄──などは調達コストが増大する見込みだ。
低価格の輸入鋼材を調達していた中小メーカーは、「なぜ安い鋼材を買ってはならないのか」と、経営への影響に不安を募らせた。
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