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DRAM5社、通年赤字1千億元も


ニュース 電子 作成日:2008年4月21日_記事番号:T00006917

DRAM5社、通年赤字1千億元も

 
 力晶半導体(PSC)などDRAM大手5社の第1四半期の営業損失が300億台湾元(約1,023億円)近くに上るという見通しが、外資系証券会社によってまとめられた。供給過剰が続いており、第1四半期のスポット価格、契約金額の平均価格は、いずれも過去最低となった。第2四半期も低迷が続き、第3四半期は市場全体としては好転に向かうものの、通年の営業損失は過去最悪の1,000億元規模となる恐れがある。21日付工商時報が報じた。
 
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 最大手、力晶半導体の第1四半期売上高は148億4,000万元で、販売コスト230億元近くと営業コスト17億元弱を差し引いた営業損失は、95億~97億元となる見込みだ。

 このほか主要4社は、▽茂徳科技(プロモス・テクノロジーズ)、売上高76億4,200万元、損失50億~55億元▽華邦電子(ウインドボンド・エレクトロニクス)、売上高65億6,900万元、損失20億元以下▽南亜科技、売上高91億4,300万元、損失85~88億元▽華亜科技、売上高88億200万元、損失30億~35億元──となる見通し。 5社の損失の合計は300億元近くで、力晶の子会社、瑞晶電子(レックスチップエレクトロニクス)などによる営業外損益や在庫の価格下落分を加えると、損失は300億~350億元とさらに膨らむ。

在庫拡大で損失回避
 
 DRAMは供給過剰を受けて、昨年第4四半期、スポット市場のオファー価格が過去最低の1個0.74米ドルまで落ち込んだ。しかし平均価格では、スポット価格、契約金額ともに第1四半期が過去最低となった。

 512MB667MHzのDDR2チップは第1四半期、スポット平均価格0.8~0.85米ドル、平均契約金額0.85~0.95米ドルで、昨年第4四半期を下回った。損失の拡大を防ぐため、各社は在庫量を増やして販売を減らしている。

「撤退以外の道はなし」
 
 DDR2チップはオファー価格が製造コストをも下回り、出荷するほど赤字となる状態だ。各社は第2四半期末までに手持ち資金を使い果たす恐れもあるが、銀行はDRAM業界への融資意欲が低く、調達方法が目下の課題だ。また、現在の供給過剰状態は、世界大手5社のいずれかが撤退することでしか解消しないと工商時報は指摘している。

 世界2位の韓国ハイニックスは2月、今年の資本支出は3兆6,000億ウォン(約3,120億円)、このうち上半期が2兆ウォンと発表していたが、下半期の資本支出を1兆ウォン減らす方針だ。