ニュース 社会 作成日:2017年3月8日_記事番号:T00069358
台北市を中心に複数のバス会社が運行する路線バス「台北市聯営公車」にはさまざまな路線番号が一定の規則に従って割り振られているが、その歴史をたどってみると、市内繁華街の移り変わりを知ることができる。
台北市ではかつて、公営および民営のバス会社が独自に路線を設定し、異なる運賃で営業を行っていたが、路線の重複や不足が問題となったことから、同市交通局が主体となり、効率的な路線設計や路線番号、運賃の統合などを管理する「台北市聯営公車」が設立され、1977年に33路線で運行を開始した。
運行開始当初、台北駅周辺を循環していた路線には環状路線を意味する「0路」の番号が付与され、さらにその後、東西南北のエリアを循環する「0東」「0西」「0南」「0北」路線が加わった。
このうち当時、かつて繁華街として栄えた万華区の青果市場を起点とする「0西」は、同エリアの没落とともに利用者の数が減少し、00年前後に廃止となった。また「0北」路線も既に運行されておらず、「0」路線の名を受け継ぐのは現在「0東」と「0南」のみとなっており、70年代後半以降、台北市が東部と南部を中心に発展していったことがうかがえる。
このほか聯合公車の路線番号には、休日のみ運行する「100」番路線やかつて冷房付き車両が珍しかった時代、「冷房車」に割り振られた「500」「600」番路線など3桁のものや、都市交通システム(MRT)に連絡する「紅」「藍」といった色から始まるものなどさまざまな種類が存在する。
ただ、これらの番号にもタブーがあり、「死」を連想させる「4」だけでなく、中国共産党軍の通称「八路軍」に通じる「8路」、国民党政府が戦後間もない1947年に台湾住民を弾圧した「228事件」を想起させる「228」といった数字も避けられている。
一見、無味乾燥な路線番号もその由来や背景にあるエピソードを知ると、バスに乗るのが少し楽しくなるかもしれない。
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