ニュース その他分野 作成日:2017年3月15日_記事番号:T00069468
改正労働基準法(労基法)による週休2日制(一例一休)導入で問題点への指摘が相次ぐ中、林明溱南投県長(国民党)が不施行検討を表明したのに続き、傅崐萁花蓮県長(無所属)が14日、施行を5年後に延期するよう中央政府に呼び掛けた。労働部は14日、今週中に労基法の施行細則を公式サイトで発表し、運用上の疑問に答えると表明した。ただ、施行細則だけでは全ての問題を解決し切れないため、労使間の問題や地方政府の悩みは今後も絶えないと15日付聯合報は指摘した。
林南投県長の一例一休の不施行検討表明に対し林行政院長は、政府機関が先頭を切って違法行為をすべきでないと批判した(14日=中央社)
労働部は、有給休暇(特別休暇)の起算日を入社日だけでなく会計年度に変更できるかなど、施行細則で一部の疑問に答える見通しだ。
ただ労働部の陳明仁主任秘書は、労基法改正後に各界から問題点が相次いで寄せられているが、施行細則に期待し過ぎないでほしいと述べ、予防線を張った。施行細則は原則を示すだけで、業種ごとの個別の事情は解釈例、労働環境の問題は指導によって対応すると述べた。
廖蕙芳・労働部政務次長は、各界からの相次ぐ疑問に対し、専門家や学者と検討を重ねているが、内容が複雑なため、施行細則の発表まで時間がかかったと弁明した。
地方の意見聴取を
林南投県長は、中央政府は確実に執行できる政策か検討していなかったのかと批判し、労働部はきれいごとばかりで市民の声を聞いていないと話した。
朱立倫新北市長(国民党)は、一例一休は企業、労働者、政府を困惑させており、中央政府は早急に統一基準を制定してほしいと述べた。
国民党の首長だけでなく、民進党の首長からも中央政府に要望が上がっている。
陳菊高雄市長(民進党)は、一例一休は労使トラブルを招いており、地方政府もよく理解できない点が多いので、労働部は南部に足を運び、しっかり説明してほしいと求めた。
林佳龍台中市長(民進党)は、週休2日制に対する社会的な合意は形成されているものの、制度が不完全で、企業も労働者も運用規定に融通がないと感じていると話した。地方の意見を聞いてもらうため、林全行政院長を中部に招く考えも示した。
鄭文燦桃園市長(民進党)は、労基法は法律なので、一部県市が免除されることはあり得ないが、成立したばかりで調整期間が必要と指摘し、労働部に対し、各業種が対応できるよう基準を制定してほしいと訴えた。
林院長、悪法説を否定
林行政院長は立法院の答弁で、改正労基法は施行から6カ月は猶予期間で、企業が対応に苦慮していることは理解できるが、法律自体の施行が困難なわけではないと述べた。いかなる法律でも長所と短所があり、一例一休によって労働者の過労を減らす目的が達成できると強調した。さらなる法改正の有無について問われ林行政院長は、まずやるべきは法解釈だと答えた。
労働団体、台湾労工陣線の孫友聯秘書長は、一例一休の実現で観光客が増えれば、南投県や花蓮県など観光地の就業機会が増えるはずと林南投県長の不施行検討表明を批判。立法委員に対し、週休2日制を確実に実現する法改正案を提案してほしいと呼び掛けた。
一方、中華民国全国工業総会(工総、CNFI)の蔡練生秘書長は、一例一休がまるで政治問題化していると、国民党および系列の県長が公然と政府批判を始めた現状を指摘した。
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