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作成日:2008年4月22日_記事番号:T00006947
TSMC、ウエハー受託加工で新概念発表
台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀董事長は21日、ウエハー受託加工の新概念として「オープン・イノベーション・プラットフォーム(OIP)」を提唱した。TSMCのウエハー技術を中核として、IC設計企業などを巻き込み、半導体の設計から封止・検査に至るまで一貫した生産体制を構築するのが狙いだ。22日付電子時報が伝えた。
張董事長は「OIPは従来型のウエハー受託加工の範ちゅうを超え、IC産業の技術革新と成長を加速するものだ」と指摘し、「OIP」の商標登録も行う方針を示した。今後はノウハウや生産データベースを蓄積したウエハー受託加工業者が、業界を川上から川下まで垂直統合する上で重要な役割を果たすというのがTSMCの考え方だ。
張董事長はOIPと垂直統合型デバイスメーカー(IDM)の決定的違いについて、IDMは自社で設計を行うのに対し、OIPはTSMCが設計ツールや関連する知的財産権を提供し、顧客が設計を行う点にあると説明した。これにより、顧客企業の研究開発(R&D)コスト節減を目指す。
張董事長は、「半導体の集積密度は18~24カ月で倍増する」というムーアの法則に沿った業界の成長が今後も続くと予測し、「不断の技術革新が必要だ」と訴えた。