電子機器受託生産大手、和碩聯合科技（ペガトロン）が14日発表した2016年純利益は193億4,000万台湾元（約720億円）で前年比18.8％減と、アップルから受注を得た11年以降で初の前年割れとなった。アップルの最新スマートフォン「iPhone7」の出荷が予想以下だった。15日付経済日報などが報じた。
廖執行長は、ゲーミング（ゲーム用）ノートＰＣの受託生産を強化すると述べた（14日＝中央社）
16年連結売上高は１兆1,500億元で前年比4.6％減だった。粗利益率は5.4％で、0.8ポイント低下した。
林秋炭ペガトロン財務長は減益の理由として、世界需要の減少傾向、中国での人件費上昇などを挙げた。また昨年第２四半期からデジタルカメラ受託生産大手、佳能企業（アビリティ・エンタープライズ）が連結決算の対象外となったことも影響した。
17年設備投資、２倍へ
林財務長は、今年のＤＭＳ（設計製造ソリューション）設備投資見通しは４億～４億5,000万米ドルで、前年の２倍と述べた。設備投資の７割を自動化設備の購入などに充て、中国の人件費上昇に対応する。
廖賜政執行長は、17年売上高は１兆3,000億元を狙えると語った。▽消費者向け電子製品（タブレット端末、ゲーム機）▽情報通信機器（スマートフォン、ネットワーク機器）▽コンピューター（ノートパソコン、デスクトップＰＣ、マザーボード）──のいずれも５～10％成長すると見通しを示した。
