ニュース 社会 作成日:2017年3月16日_記事番号:T00069517
台東地方検察署は15日、飲酒運転の累犯者に対する新たな罰則として、台湾で初めて遺体安置室の清掃奉仕を導入した。これにより命の大切さを学ばせたい考えで、同奉仕作業に参加した違反者10人は「もう飲酒運転はしない」と口をそろえた。
台東市が運営する葬儀場の遺体安置所。台東地検署は、今後も継続して遺体安置所の清掃奉仕を続けるとコメントした(16日=中央社)
もともと飲酒運転の累犯者に対しては、立法委員などから遺体を洗浄させる罰則の導入が提案されていたが、「遺体を洗う行為は専門技術を要するため、これを違反者の罰則に導入することは結局、無関係の死者を罰することになる」などと批判的な声が上がり、葬儀業者からも不適切との意見が出された。
その後、検察署や地方政府が協議を進めた結果、違反者が直接遺体を洗浄するのではなく、遺体の冷凍保管庫や解剖用のテーブル、遺体を乗せるカートといった設備を清掃させることで合意した。
なお台東地検署によると、台東地区は全土でも特に飲酒運転を原因とする事故が多い上、再犯率も高いという。このことから全土初の遺体安置施設清掃奉仕の罰則導入に至ったようだ。
今回、台東市が運営する葬儀場で行われた奉仕作業に参加した飲酒運転の累犯者は、遺体安置所の設備を清掃するだけでなく、同施設で行われる葬儀を見学し、家族を失って悲しみに暮れる親族を目の当たりにすることになった。
「怖かったけど逃げるわけにも行かなかった」と話した参加者の1人は作業後、「もう酒は飲まない。そうすれば飲酒運転もできないし、自分や他人の命を犠牲にしなくて済む」と語っており、同罰則導入の効果は大きかったようだ。あとは彼の決意が長続きすることを祈るばかりだ。
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