ニュース 社会 作成日:2017年3月22日_記事番号:T00069623
今月はじめ、遠東航空(ファーイースタン・エア・トランスポート)の航空機で機長を務めるベテランパイロットが、搭乗前にアルコール検査を受けたところ、約5本の瓶ビールを飲んだ場合に相当する高濃度のアルコールが検出されていたことが明らかとなった。同機長は直ちに乗務から外され、その日のうちに解雇されたが、人命を預かるパイロットの不祥事を受け、遠東航空に対し管理責任を問う声が上がっている。
今年2月までのフライト経験が6,744時間に上るベテランパイロット、葉興富機長(50代)は3月7日午前6時ごろ、澎湖県・馬公空港へ向かう便に搭乗するため高雄国際空港に入った。しかしそこで抜き打ちでアルコール検査を受けたところ、呼気から1リットル当たり0.52ミリグラム(mg)のアルコールが検出された。
現在、法律でパイロットに対し許容されるアルコール濃度は同0.1mgで、同機長の場合はその5倍以上が検出されたことになる。また専門家は、自動車の運転手から同0.25mgのアルコールが検出された場合、刑法により起訴が可能となることを例に挙げ、「0.52mgはあまりにも高過ぎる」と指摘。さらに航空機は飛行中に気圧や酸素濃度が変化するため、飲酒後の症状を悪化させやすく、パイロットが判断を誤れば旅客の安全を脅威にさらすことになると強調した。
事態を重く見た遠東航空は、同機長を乗務から外し、協議の結果、同日午後に解雇を決めた。機長は当初、風邪薬を飲んだと説明していたが、同社の聞き取り調査の結果、前日夜に高梁(コーリャン)酒を飲んでいたことが明らかとなった。
現在、交通部民用航空局(民航局)は、航空各社に対してもアルコールの抜き打ち検査規定を自社で定めるよう指導しているが、実際の検査はパイロット全体の20~30%にしか行われていないのが現状だ。このため、今回の不祥事を受けて専門家などからは全数検査に改めるよう要求する声が上っている。
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