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義聯集団が米国に電気炉設置へ、台湾投資環境に見切り


ニュース 鉄鋼・金属 作成日:2017年3月23日_記事番号:T00069632

義聯集団が米国に電気炉設置へ、台湾投資環境に見切り

 鉄鋼業界の民間最大手、義聯集団(Eユナイテッド・グループ)の林義守董事長は22日、米国テキサス州に電気炉2基を建設する考えを明かした。早ければ年内に契約し、来年着工する。第1期投資額は500億台湾元(約1,800億円)。トランプ政権のインフラ整備や減税政策に呼応する台湾初の鉄鋼メーカーとなる見通しだ。林董事長は、中国市場は飽和状態、東南アジアは困難が多い上、台湾は環境影響評価(環境アセスメント)がネックで投資計画が進まないと、台湾の投資環境を批判した。23日付経済日報などが報じた。

/date/2017/03/23/00e-united_2.jpg林董事長が米国投資を考えたのは、「義亨天地」開業が3年半遅れ、台湾の投資環境に失望したせいのようだ(22日=中央社)

 林董事長は、米国テキサス州に2週間前、用地300ヘクタールを要望したところ、600ヘクタール用意し、水や高圧電力を完備すると申し出があったと話した。4月に米国視察に人員を派遣する予定。第1期投資では、得意の亜鉛めっきや焼付塗装を中心に、炭素鋼(普通鋼)やステンレスを生産する考えだ。

米インフラ需要に期待感

 林董事長は、トランプ政権はインフラ整備や減税政策を掲げており、米国投資の好機だと述べた。一方、台湾で工場を拡張するのは、環境影響評価の審査のせいで困難だと話した。例えば、数年前に台南市で1,000億元規模の製鉄所建設を計画し、融資700億元が決まり、設備も注文したのに、環境影響評価で頓挫していると語った。

 東南アジアでは、ベトナムで生産能力500万トン、30億米ドル規模の投資を計画したが、鉄鋼市場の変化に伴い中止した。ただ、インドネシアで3年前に購入した酸化ニッケル鉱山では最近採掘を始めた。ニッケルはステンレス材料となる。

 トランプ政権発足を受け、米国投資を計画している主な台湾企業は、▽鴻海精密工業▽金宝集団▽神達投資控股(マイタック・ホールディングス)▽台塑集団(台湾プラスチックグループ)▽遠東集団(ファーイースタングループ)──など。

商業施設「義亨天地」、来年Q4開業へ

 義聯集団は22日、高雄市の複合商業施設「義亨天地」のテナント説明会を開催した。2018年第4四半期にオープンする予定だ。

 義亨天地の延床面積は8万坪近く。A館は投資額210億元余りで、ショッピングセンターと高級ホテルのマリオット・インターナショナルから成る。B館は建築許可を申請中だ。

 林董事長は、A館とB館を同時に営業できれば、年間売上高は100億元を超え、税収10億元をもたらすと、政府に向けてアピールした。