ニュース 社会 作成日:2017年3月24日_記事番号:T00069676
彰化県に台湾で唯一、中央気象局からライセンス発給を受けた私設気象観測所が存在する。同観測所の「所長」を務める男性は約40年前、私財を投じて自宅屋上に観測装置を設置。以降、たった1人で毎日こつこつとデータを取り続けており、近年フェイスブック(FB)上に開設した天気予報ページは、情報の正確さから多くのファンが付いている。
呂さんは07年から気象に関するブログを開設しており、分単位の降雨予想が非常に好評となっている(銀星研究気象站フェイスブックより)
彰化県和美鎮在住の呂権恩さんは、10歳だった1977年、台風が相次いで台湾を襲い、大規模な災害をもたらしたことをきっかけに気象に興味を持つようになった。その後、気象観測にのめり込み、14歳になった81年、自宅屋上に観測所「銀星研究気象站」を開設。当初は自転車部品で作った風見鶏やストップウオッチを改良した風速計など自作の観測装置を使って観測データを集めていたという。
そんな彼は中学卒業後、地元の紡績工場に就職。給料をもらうたびに観測装置を買い足していき、時には自動風速・風向き計測器に20万台湾元を投じたこともあったそうだ。
そして16歳の時、銀星研究気象站を正式な観測所とすべく公式ライセンスを申請し、7年がかりで取得に成功した。その後は日々、地元周辺の風速、気圧、雨量など各種気象データを収集し、関係機関や市民に提供。地元の小学校でも利用されている。
科学技術が発達し、テレビでは1時間ごとに天気予報が提供される昨今、なぜ自分で観測することにこだわるのかと聞かれた呂さんは「天候の変化は地方によって大きく異なり、これを研究する上でデータは基礎となるものだから」と話す。
過去2年、台風が来襲した際、台湾中部で一夜にして農作物が枯れてしまう被害が出たことについて、専門家は「フェーン現象が原因」と説明付けたが、地元住民からは「西部の平野で気温が一気に10度も上昇することなどあるだろうか」と疑問の声が上がった。
これに対し呂さんは自ら観測したデータを基に、台風によって海が荒れ、塩分を含んだ水が上空に舞い上がり、これが風に乗って内陸部に運ばれる「塩風」が原因との見方を提示し、住民が納得するというケースもあったという。
呂さんは2年前、FB上に天気予報ページ「台湾天気搶先報」を開設し、4万人近いファンを集めている。同ページが発令した「塩風特報」を見て盆栽を屋内に入れたので助かったなど、感謝のコメントを見るのが目下、一番の喜びだと語った。
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