ニュース 電子 作成日:2017年3月28日_記事番号:T00069706
宏達国際電子(HTC)は27日深圳で、VR(バーチャルリアリティー、仮想現実)対応ヘッドマウントディスプレイ(頭部装着ディスプレイ、HMD)「HTC Vive」のエコシステム会議(VEC2017)を開催し、深圳市政府との研究機関の共同設立、および中国の国美電器(GOME)によるVR映画館設置への技術協力、米ワーナー・ブラザーズが来年公開予定の新作映画のVRコンテンツ製作での提携を発表した。米中の政府や企業を巻き込んでビジネスのエコシステムを構築し、HTC再起のための成長エンジンと見込むVR産業を盛り上げたい考えだ。28日付経済日報などが報じた。
王董事長は先日、VR市場は2年後に急成長する予測のため、HTCは事業展開を急いでいると語った(中央社)
HTCは27日、VR技術や応用製品などを開発する研究機関「国際虚擬実境研究院(IVRI)」設立に向け、深圳投資控股と提携覚書(MOU)を交わした。HTCの王雪紅(シェール・ワン)董事長自身がIVRI院長に就任する。
HTCの陳文琦董事は、IVRI設立により、深圳はVR/AR(オーグメンテッド・リアリティー、拡張現実)技術や特許で世界をリードすると述べた。また、大手ブランド各社のVRヘッドセット発売が続いた昨年はVRの発展元年といえ、今後10年でVR/AR産業は100億~1,000億米ドルまで成長する見通しで、チャンスに満ち溢れていると語った。
HTCは昨年深圳で生産されたVRヘッドセットは2,000万~3,000万台に上り、今年は5,000万台を超えると予測した。また、今年世界市場でVR対応スマートフォンは5,000万台を超え、第4四半期にVR対応パソコンが非対応PCを上回ると予測している。
Vive、タイでQ2発売
中国の家電量販店大手の国美電器はVEC2017会議で、早ければ4月にVR映画館をオープンし、年内に100軒まで拡大、将来は中国最大手を目指すと表明した。
ワーナー・ブラザーズとの提携についてHTCは、2018年3月末にも公開予定のVRを舞台としたSF映画『レディ・プレイヤー・ワン』(スティーブン・スピルバーグ監督)のVRコンテンツ製作、およびVRプロモーションに関し、独占パートナーになると説明した。
HTCはまた、今年第2四半期にタイで「HTC Vive」を発売すると表明した。これまでの発売国・地域は、▽中国▽米国▽日本▽台湾▽韓国▽シンガポール▽オーストラリア──など。
HTCはスマホ不振を受け、「HTC Vive」に注力しているものの、売上高の9割は依然スマホが占めている状況だ。
イスラエルも視野
HTCは同日、VRスタートアップ支援プロジェクト「Vive X」第2弾参加企業として、台北、サンフランシスコ、北京、深圳など30社余りを選出した。今後、イスラエルでも支援プロジェクトを行う予定だ。
なお、HTCがVR事業をスピンオフ(分離・独立)するとの市場観測については、ノーコメントとした。
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