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子牛6頭が列車衝突死、飼い主は賠償に恨み節


ニュース 社会 作成日:2017年3月28日_記事番号:T00069727

子牛6頭が列車衝突死、飼い主は賠償に恨み節

 台湾鉄路(台鉄)東部線で27日、走行中の列車が線路に進入した牛6頭に衝突する事故が発生。牛の飼い主は大切な収入源を失ったばかりか、車体の損傷に高額の賠償義務が生じるため「もう終わりだ」と頭を抱えている。

 27日午前9時過ぎ、台東駅~花蓮駅を結ぶ台鉄の区間列車4621便が鹿野駅まで600メートルの地点に差し掛かったところで、運転士は線路上をのんびりと歩く牛6頭を発見。あわてて警笛を鳴らしたが、牛は全く反応せず、急ブレーキをかけたものの、まるでボーリングの球がピンにぶつかるように次々と牛をはねた。

 事故に遭ったのは全て生後6~8カ月の子牛で、飼い主の男性が1頭当たり3万台湾元で購入し、台東県を流れる卑南渓の川岸で縄につないで飼育していた。しかしこの日、牛たちは何らかの方法で縄から抜け出し、約2キロメートル離れた事故現場まで脱走して列車にぶつかり6頭全てが死んでしまった。

 この事故により列車の乗客12人にけがはなかったが、後続の4便に遅延が生じ、約430人の乗客の足に影響が出たほか、事故車両前面の排障器などが衝突で大きく破損。台鉄は今後、牛の飼い主に賠償請求を行う方針だ。

/date/2017/03/28/20train_2.jpg列車の先頭下部の排障器が衝突で歪んだ(27日=中央社)

 飼い主男性によると、現在、経済的に困窮していることから6頭の子牛は数カ月ほどで売りに出す予定だった。事故で牛が死亡したことで損失が出た上、賠償金を支払う必要まで生じ、「駅に近づけば減速するはずなのに、なぜブレーキが間に合わなかったのか」と恨み節をこぼした。

 なお台鉄では、田園部や山間部区間には進入防止柵が設置されていないことから、牛やイノシシ、さらには台湾黒熊(ツキノワグマ)が線路上で列車に衝突する事故がたびたび起きているため、新たに175キロメートルの区間で高さ1.8メートルの柵を設置することを決めており、今年100キロメートル分を設置する予定だ。