ニュース 金融 作成日:2017年3月30日_記事番号:T00069760
アップルのモバイル決済サービス「アップルペイ」が29日台湾でもスタートし、同日中にクレジットカード20万枚以上が登録されたようだ。対応店舗でスマートフォンiPhoneやアップルウオッチをかざし、Touch IDによる指紋認証を行うだけで、わずか3秒でクレジットカード払いができる。商機を見込み、アップルペイに登録可能なクレジットカード発行銀行7行や対応店舗がキャンペーンを開始した。業界関係者は、ブームが一段落するまで、どれほどの商機をもたらすか予想できないと話した。30日付蘋果日報などが報じた。
玉山銀行は、アップルペイの登録・初回利用で10%還元のほか、スターバックスのラテ1杯もプレゼントする(玉山銀行リリースより)
台湾でのアップルペイのサービス開始は世界の国と地域で15番目。同日午前7時のサービス開始後、アップル端末のユーザー数千人が早速、Walletアプリにクレジットカード登録を試み、一時はシステムダウンするほどだった。登録可能なクレジットカードはモバイル端末1台当たり最大8枚。
台新国際商業銀行(台新銀行)は、同行発行のクレジットカードでアップルペイを利用すれば、1回当たり最高30%(最高200台湾元=約730円)還元すると発表。また、全家便利商店(台湾ファミリーマート)で利用できるのは同行発行のクレジットカードだけとアピールした。
このほか、▽国泰世華商業銀行(キャセイ・ユナイテッド・バンク)、初回100元還元▽玉山商業銀行(Eサン・コマーシャル・バンク)、10%還元▽中国信託商業銀行(CTBCバンク、中信銀)、10%還元▽スタンダードチャータード銀行(渣打国際商業銀行)、1回250元以上の決済で25%還元──や、指定の店舗での利用でキャッシュバックや割引券贈呈などを行う。
アップルペイに対応する小売業者は46社で店舗数13万店以上。家電量販店の燦坤3Cは、アップルペイを使ってiPhone7、iPhone7プラスを購入すれば、最高で4,000元を還元するキャンペーンを開始した。
アップルペイ対応のレストランは王品集団のみ。傘下のステーキ店「王品台塑牛排」、「西堤牛排(TASTy)」、日本料理店「陶板屋和風創作料理」、「芸奇ikki新日本料理」など13ブランド204店で使える。ただし、一部店舗は対象外だ。
コンビニエンスストアはファミリーマートのみ。このほか、百貨店、スーパーマーケット、ドラッグストアや、統一星巴克(プレジデント・スターバックスコーヒー)、タクシーの台湾大車隊などで利用できる。
台湾ペイ、デビットカード可能へ
台湾での2月のiPhone市場シェアは18.7%。業界関係者は、台湾人は新しいもの好きなので、当面はアップルペイブームが続くと予測した。
消費者からは「財布を持ち歩かなくても、ケータイがあれば買い物できるのは便利」「アップルペイは不安定のようなので、アンドロイドペイに期待している」などの声が聞かれた。
台湾では、台湾独自のモバイル決済サービス「T Wallet(台湾ペイ)」が既に始まっており、今年第2四半期よりデビットカードも登録可能になる予定だ。このほか、「サムスンペイ」と「アンドロイドペイ」もモバイル決済サービスを計画している。
アナリストによると、iPhoneは世界で6億8,000万台使われており、アップルペイを利用しているのは13%にすぎない。調査会社によると、世界でのアップルペイの2016年決済金額は600億米ドルに上った。
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