友達光電(AUO)の陳来助総経理は22日の業績説明会で、第10または11世代工場の建設準備に着手することを明らかにした。来年第2四半期までに計画を策定し、2011~12年ごろの量産を目標にする。日韓大手の生産能力拡大計画にキャッチアップし、57インチ以上の大型パネル需要に対応する。23日付電子時報などが報じた。
10世代以降の工場の立地について同社では、8.5世代工場を推進している中部科学工業園区后里園区には新世代の産業チェーンを形成するための十分な用地を確保できないため、台湾域内で新たに300ヘクタール規模の大型用地が必要になるとしている。規模的に北部では用地取得が難しく、中南部になる確率が高いという。
陳総経理は新世代工場で生産するパネルについて、「10年以降は46インチ以上の需要が増えると予想される。このため、10または11世代工場では液晶テレビ向けの50~60インチ以上のレベルとなる」と指摘した。
新世代工場の稼働で60インチ以上の製品を生産するようになれば、生産対応の柔軟性がさらに高まり、将来は液晶テレビ用パネルの世界市場でシェア2割の維持を基本目標にするという方針を示した。
このほか、モジュール組み立ての外注率について、生産能力調整および生産ライン簡素化の観点から10%を維持しつつ、今後生産規模の拡大に伴って発注量を増やすとした。
通年利益1千億元も
同社が同日発表した第1四半期の売上高は、昨年同期比69.2%増、前期比12.1%減の1,366億3,000万台湾元(約4,642億円)で、純利益は前期比18.5%減の269億8,500万元だった。粗利益率は27.1%で、1株当たりの純利益(EPS)は3.14元。純利益はオフシーズンにもかかわらず昨年第4四半期に次いで過去2番目に高く、証券会社の当初予想の130億~170億元を大きく上回った。今年は通年で1,000億元の利益も期待される。
陳総経理は第1四半期の業績好調の主な理由として、生産効率の向上と製品の生産配分が良かったことを挙げた。8.9インチ以上のサイズの需要が拡大している中型パネルやハイエンドLEDパネルなどの利益貢献度が高かった。
中国の在庫、5月に解消
第2四半期、第3四半期の見通しについて陳炫彬同社董事長は、「景気の全体的状況、為替差損、コンシューマエレクトロニクス製品の需要動向には依然観察が必要で、現段階では『楽観を慎む』としか言えない」と語った。
テレビ向けパネルの需要が第2四半期に入り減少していることが、証券会社の注意を引いている。これについて彭双浪執行副総経理は、「テレビ用パネルは中国市場で在庫サイクルが約8週間と長くなっている。しかしメーデーの連休、北京五輪で需要が高まり、5月に一定の水準まで解消され、6月には正常に回復すると予想する。携帯電話のホワイトブランドも3~4月に回復してきた。中小型パネルは4月中に正常な水位に回復する」と語り、大きな懸念は必要ないという考えを示した。