ニュース 電子 作成日:2017年3月31日_記事番号:T00069786
ノートパソコン受託生産大手5社の2016年業績が出そろい、広達電脳(クアンタ・コンピュータ)を除く4社の為替差損の合計額が78億台湾元(約290億円)に達した。台湾元高に加え、中国ブランドが顧客で人民元での取引が多いメーカーが、人民元下落による直撃を受けた。今年も台湾元高が進行している上、重要部品は深刻な供給不足によって価格上昇が続いており、ノートPC受託メーカーはコスト増で業績に打撃を受けそうだ。31日付経済日報が報じた。
コンパルの陳瑞聡総経理は先日、元高は輸出主導型の企業に打撃が大きいとして、政府に対応を求めた(中央社)
16年の為替差損が最も大きかったのは和碩聯合科技(ペガトロン)で43億8,300万元だった。次いで▽英業達(インベンテック)、19億2,700万元▽仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)、12億4,300万元▽緯創資通(ウィストロン)、2億7,000万元──。クアンタは為替差益9億3,700万元を計上した。
コンパルは聯想集団(レノボ)、インベンテックは小米科技(小米、シャオミ)を顧客に抱え、ペガトロンは中国向けにアップルのスマートフォンiPhone7を製造しているため、人民元の保有が多い。一方、クアンタはノートPC主要顧客が東芝、デル、宏碁(エイサー)、華碩電脳(ASUS)など。クアンタが受託生産しているアップルのマックブックは中国向けでない上、iPhone7も受注していないので、人民元の保有が少ない。こうした顧客構成の違いが、為替差損益に表れた。
Q2赤字受注も
ノートPC受託メーカーは為替変動のリスクに加え、部品価格の上昇にも直面している。液晶パネル、SSD(ソリッドステートドライブ)、DRAMなど核となる部品がいずれも供給不足で、特にSSDとDRAMは不足が深刻だ。
証券会社は、部品価格が上昇しても、顧客が最終製品の販売価格を引き上げなければ、受託メーカーは自社の粗利益を犠牲にするしかないと指摘した。
このまま第2四半期も元高、部品不足が解消しなければ、受託メーカーは設備稼働率を維持するために、涙をのんで受注するしかない。
MSI「値上げやむなし」
一方、マザーボードとゲーミングノートPC大手、微星科技(マイクロスター・インターナショナル、MSI)の徐祥董事長は30日、台湾元高の影響で第1四半期の粗利益率が1.5~2ポイント押し下げられると予測。もし元高が続くなら、最終製品価格の値上げが必須だと述べた。ただ、ライバルの値下げで市場シェアを奪われないよう、為替動向をにらみながら、臨機応変に対応するしかないとの考えを示した。
同社の16年連結売上高は前年比19.8%増の1,021億9,000万元と、初めて1,000億元の大台に乗った。純利益は31.8%増の48億8,700万元で過去最高を更新した。
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