ニュース 機械 作成日:2017年4月7日_記事番号:T00069868
経済部の沈栄津次長は6日、台中市神岡区の豊洲科技工業園区第2期開発を、スマート機械園区とすると表明した。2018年から進出企業を募集し、50社以上から700億台湾元(約2,500億円)の投資を呼び込む予定だ。経済部はまた、プリント基板(PCB)など6業種を対象に、スマート生産ライン導入を奨励し、将来は東南アジアなどへのプラント輸出を目指す。蔡英文政権の5大産業創新計画が具体的に動き出したといえる。7日付工商時報などが報じた。
沈・経済部次長(左1)は、豊洲スマート機械園区の環境影響評価(環境アセスメント)、開発計画書に見通しが付いたと述べた(6日=中央社)
経済部は6日、行政院に対し、スマート機械産業推進プロジェクトの進度と成果報告を行った。
沈・経済部次長は、機械産業にロボット、IoT(モノのインターネット)、ビッグデータなどスマート技術を導入し、スマート製造を推進すれば、産業高度化や低賃金問題の解決が可能だと述べた。
林全行政院長は、台湾の機械産業は日本やドイツのレベルには達していないが、スマート化により追い抜けると期待感を示した。
航空機・部品メーカー、漢翔航空工業(AIDC)は、国家中山科学研究院(中科院)、経済部と台中市政府が2月に発足させた「スマート∞機械推進弁公室」、工業技術研究院(工研院、ITRI)などと提携覚書(MOU)を交わしており、経験を積めば、海外メーカーからも受注し、商機686億元を創出する見通しだ。
多品種の同時生産で効率向上
台湾政府は今年スマート製造の推進に42億7,000万元を投じる。対象6業種と既に申請があるメーカーは、プリント基板は▽欣興電子(ユニマイクロン・テクノロジー)▽迅得機械(シムテック・オートメーション・アジア、SAA)──、紡織は▽儒鴻企業(エクラット・テキスタイル)▽力麗企業▽力鵬企業──、航空宇宙はAIDC、東台精機(東台マシン&ツール)、サーボモーターは▽友嘉集団(フェアフレンドグループ、FFG)▽東元電機(TECO)、配管設備・工具は上銀科技(ハイウィン・テクノロジーズ)、自動車・バイクは▽光陽工業(KYMCO、キムコ)▽東台精機▽上博汽車──など。経済部は、これら6業種は中小企業が多く、労働力不足に陥りやすいため、産業構造の転換が迫られていると指摘した。
経済部工業局機械科の張国樑科長は、例えば自動車やバイクのモーター製造はこれまで生産ライン1本に付き同じ排気量のモーターしか作れなかったが、スマート機械を導入すれば、さまざまな排気量のモーターを生産できるので、生産能力が大幅に向上すると説明した。
ロボットや機械に仕事を奪われるとの懸念に対し、工業局の楊志清主任秘書は、少子高齢化で将来はヒトとロボットの協力が必要になり、ヒトの役割が単なる労働力から調整役に変わると述べた。また、デジタル化、ビックデータの活用で、消費者の多様なニーズに応えることができるようになると語った。
経済部はまず規模が比較的大きいメーカーにスマート生産ライン設置を促し、成果が出れば中小企業にも奨励する。8カ年計画を2期に分け、4年でスマート製造モデルを6タイプ構築し、輸出モデルを4タイプ確立する。年内にもモデル例の輸出に取り組む予定だ。蔡政権の「新南向政策」の対象である東南アジアや南アジアなどのほか、フランス、ロシア、トルコ、メキシコなども視野に入れている。2019年生産額は前年比2%増、23年は5%増を見込む。
【表】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722