ニュース 社会 作成日:2017年4月11日_記事番号:T00069940
かつて台湾で宴会料理に欠かせなかったフカヒレは、サメの乱獲やヒレだけを切り取ってそれ以外の部分を海へ捨てるという漁法が批判を浴び、現在では環境保護団体などによって「フカヒレ料理を口にするのをやめよう」という運動が広がりを見せている。そんな中、行政院環境保護署(環保署)の李応元署長がこのほど、知人との会食の席でフカヒレを食べたことが発覚。「悪い模範を示した」などと強い批判を浴びている。
李署長は、二度とフカヒレを口にしないし、友人にも食べないように勧めるとコメントした(10日=中央社)
李署長は9日正午ごろ、知人のメディア関係者、蔡漢勲氏らと台北市内のレストランで会食。これについて同日夜、蔡氏は自分のフェイスブック(FB)ページに「李署長など政財界の有力者と会食した。久しぶりにフカヒレを食べた」などと記した記事を投稿した上で李署長がテーブルの中央に座った画像やフカヒレスープが写った画像を掲載した。
ただ蔡氏も「まずい」と思ったのか投稿の数時間後に記事の文章をフカヒレを含まない内容に変更。スープの画像も削除した。しかし、時既に遅く、環境保護団体関係者が最初の投稿内容の画面コピーを転載するや、インターネット上に「環保署長がフカヒレを食べた」との情報が一気に拡散し、批判の声が噴出した。
これを受けて李署長は10日、海岸清掃イベントに参加した際、メディアの質問に対し「自分は会食のホストでも主客でもなく、遅れて店に着いたときにはフカヒレがテーブルに並んでいた」と釈明。その上で「躊躇(ちゅうちょ)したが自分もフカヒレを食べた」と認め、今回の騒動を教訓に今後は同席者がフカヒレを注文しようとした場合、止めるよう提言すると強調した。
なお台湾ではサメのヒレだけを切り取る漁法は批判の高まりを受けて2012年に禁止されている。しかしそれでもサメの乱獲は止んでいないようで、海洋生態資源の保護団体、海龍王愛地球協会の林愛龍執行長は「食物連鎖のトップに位置する捕食者が絶滅すれば生態系に深刻な混乱とダメージを及ぼす」と警告。「商売にならなければサメの乱獲も行われない」として消費者にフカヒレを食べないよう呼び掛け、政府に対してはジンベイザメだけでなく、ホホジロザメやウバザメ、メガマウスなどの捕獲も禁止するよう提言している。
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