ニュース 電子 作成日:2017年4月17日_記事番号:T00070027
鴻海精密工業傘下、シャープの戴正呉社長は15日、同社OBとの会合の席上、パソコンなどIT(情報技術)機器事業への再参入を検討していると表明した。シャープブランド強化戦略の一環とみられ、かつて赤字で撤退した競争の激しい分野に鴻海を後ろ盾として再参入する形となる。17日付工商時報などが報じた。
シャープは「メビウス」ブランドでノートPCなどを展開していたが、経営状況悪化により2010年に撤退していた。戴社長は、鴻海とシャープのシナジー効果が最も強いのがIT機器分野と話し、シャープブランドによるPCなどの販売に自信を示した。今年2月には、鴻海とシャープが共同でプロジェクターを開発すると表明しており、IT機器分野での協業を広げる意向だ。
市場調査会社IHSマークイットによると、シャープはアップルのタブレット端末、ノートPC受注獲得に向け、有機EL(OLED)パネルの生産ラインを設置しており、いつでも量産できる体制のようだ。
戴社長はまた、17年度は日本国内でのシャープ家電のラインアップ強化を図ると表明した。商品点数を、▽掃除機、前年比180%増▽4Kテレビ、45%増▽冷蔵庫、30%増▽洗濯機、20%増──とし、積極的に新商品を投入する方針だ。
中国でテレビ販売23%増
中国の市場調査会社、奥維雲網(AVC)によると、シャープの中国市場での1~2月のテレビ販売台数は29万7,000台で前年同期比23.5%増だった。「買1送1」(1台購入で2台目無料)キャンペーンなどが奏功した。目標に掲げている中国市場での数倍成長には及ばないものの、確実に販売台数を伸ばしている。
シャープなどの液晶テレビの製造を手掛ける鴻海科技集団(フォックスコン)の中国市場での1~2月テレビ出荷台数は約130万台で、台湾メーカーの冠捷科技(TPVテクノロジー)の238万台に次いで2番目の出荷規模だった。
中国では▽瑞軒科技(アムトラン・テクノロジー)▽仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)▽緯創資通(ウィストロン)──といった台湾メーカーがテレビを受注しているが、中国地場メーカーの技術向上や生産拡大のあおりを受けて、生産規模が縮小している。
医療保険分野の新会社設立
鴻海は14日、シャープと3月に設立した医療関連機器の合弁会社「シャープFMSGヘルスアンドメディカル」を通じ、医療保険を手掛ける「シャープライフサイエンス」を設立したと発表した。出資額は13億8,700万円。
シャープFMSGは、シャープの医療関連機器など健康医療分野の事業を分社化した企業で、鴻海との合弁により、医療関連技術の研究開発(R&D)強化、海外販路拡大を図る。鴻海とシャープの提携は、IT機器やテレビだけでなく医療分野まで広がっており、グループ全体で相乗効果を狙っている。
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