ニュース 商業・サービス 作成日:2017年4月18日_記事番号:T00070051
ドラッグストア業界の2016年売上高は1,962億台湾元(約7,100億円)で過去最高を更新し、前年比4.2%増と、過去10年の年平均成長率(CAGR)3.2%を上回る伸びとなった。ドラッグストアチェーン各社は出店拡大を加速している。経済部統計処は、女性の強い購買力で、メイクやスキンケア用品など化粧品需要が期待できるほか、高齢社会に向かう中、医薬品や衣料の需要が高まるとして、今年は2,000億元の大台に乗ると予測した。18日付工商時報が報じた。
経済部統計処の統計によると、ドラッグストア業界の16年売上高の内訳は、▽化粧品、47%▽医薬品・医療用品、26%▽食品類、16.9%▽洗剤・衛生用品、6.8%──。実店舗での販売が92.1%を占め、▽ダイレクトセリング、6.1%▽インターネット通販、1.8%▽ダイレクトメール(DM)通販、0.1%──だった。
統計処は、実店舗では、棚置きして売られているセルフ販売方式の化粧品に、テスター(試用品)を用意したり、カウンセリングサービスを提供するなど、消費者が選びやすいよう工夫し、サービスの付加価値向上、商品の多様化を進めていると指摘した。一方、ネット通販の構成比はまだ小さいが、大手がネット販売に参入しており、モバイル端末やモバイル決済の普及に伴い、今後の成長が期待できると予測した。
統計処の調査によると、ドラックストア業界の経営課題(複数回答)は、▽価格競争がし烈で粗利益率が低い、80%▽人件費の上昇、45.7%▽消費者のニーズの変化、42.9%──が多かった。
今年2月末現在の店舗数は、▽屈臣氏(ワトソンズ)、520店(09年比122店増)▽康是美(コスメッド)、401店(99店増)──で計921店。その他のチェーン店は計818店と、09年比120店増えたものの、大手2社が過半を占めている。
店舗を多様化
ワトソンズは、台湾進出30周年を迎える今年、550店まで拡大すると表明した。アジア初となる昨年のデジタル美容体験店導入に続き、今年下半期に世界初となる300坪の大型店舗を台北市に出店する計画だ。今年の売上高は10%成長を見込む。
コスメッドは、女性向けに美容部員、高齢者向けに薬剤師を常駐させるほか、化粧品のテスターコーナーや健康カウンセリングコーナーを充実し、今年も出店を拡大する方針だ。昨年100店近くを「風格店」(スタイリッシュ店舗)と「風采店」(エレガント店舗)に改装したのに続き、今年も100店以上をリニューアルし、今年の売上高5~10%成長、利益20~30%成長を見込む。
コスメ・生活雑貨の販売店「宝雅生活館(Poyaリビングマート)」は従来、出店コストを抑えるため地方都市が中心だったが、昨年は大安東門店、松山饒河店、士林芝山店、東湖康寧店と台北市4店を含む26店を出店した。チェーン全体で157店となり昨年の売上高は16%成長、利益は過去最高を更新した。今年第1四半期も売上高は2桁成長で、特に化粧品と日用品が大幅に伸びており、年内に25店出店し、180店以上を目指す。
住友商事と三商行(マーキュリーズ&アソシエイツ)の合弁、三友薬粧が展開するTomod’s(トモズ)は今年40店まで増やし、18年末までに60店を目指す。同社ホームページによると、現在は24店だ。
日本輸入商品のドラッグストア最大手、日薬本舗も昨年から出店を加速しており、今年は45~50店が目標だ。現在は31店。
【図】
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