ニュース 商業・サービス 作成日:2017年4月19日_記事番号:T00070077
台北市の大手百貨店に入居する飲食店が営業時間を繰り上げ、朝食市場に参入している。台湾では朝食も外食や持ち帰りで済ませる人が多く、市場規模は1,000億台湾元(約3,600億円)に上る。消費者の選択肢が増えるメリットがある一方、従来からある街中の朝食店や、後続のファストフード店、コンビニエンスストアにとって脅威となりそうだ。19日付工商時報が報じた。
統一時代百貨(ユニスタイル)台北店に入居している香港点心専門店「添好運」は午前7時30分から、太平洋崇光百貨(太平洋そごう)台北店敦化館のテナントで、「ニューヨークの朝食の女王」といわれるデザートレストラン「サラベス」は午前9時から営業し、朝食を販売している。こうしたMRT(都市交通システム)駅近くのほか、オフィス街にも近い微風南京(ブリーズ南京)、微風信義(ブリーズ信義)、微風台北駅(ブリーズ台北ステーション)などにも朝食販売が広がっている。
総合不動産アドバイザリーサービスのDTZ(中国語名・戴徳梁行)は、百貨店などが続々と参入し、朝食市場の競争が激化していると指摘した。一部はワゴン販売やテイクアウト専門で、MRTやバス、台湾高速鉄路(高鉄)で通勤する消費者がすぐに購入できるようになっており、狭い面積、短時間で効率よく、1日当たり売上高に貢献している。
従来型の朝食店、リニューアルで対策
朝食市場は参入が容易なため、従来からある朝食店に加え、マクドナルドやモスバーガーなどのファストフード店、コンビニのほか、若者の起業も増えており、市場競争が激化している。
台湾連鎖加盟協会(TCFA)の洪雅齢秘書長によると、チェーンの朝食店は46ブランド、1万394店(うち直営店145店)。前年の45ブランド1万840店より、446店減少した。
1,000店近く展開している朝食チェーン大手、麦味登は、加盟店オーナーは従来35~40歳が多かったが、最近は25~35歳と若返りが見られると指摘した。就職難が原因で、卒業後に家族や友人と一緒に店を開く人が多いという。麦味登は近年、朝食だけでなく昼食まで提供するブランチ店に400店以上が転換を図った。今後は年200店のリニューアルを進め、単価上昇を目指す。
780店以上を展開する弘爺漢堡も転換を進めており、600店以上の拉亜漢堡はピザなどのサイドメニューを増やして、市場シェア確保を図っている。
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