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「航空券は漢字名で購入を」、原住民男性が怒り


ニュース 社会 作成日:2017年4月19日_記事番号:T00070101

「航空券は漢字名で購入を」、原住民男性が怒り

 中華系の漢字名とローマ字表記の民族名の両方を持つ原住民の男子大学生が民族名で航空券を購入し、搭乗日にチェックインしようとした。しかし民族名の使用は法で認められているにもかかわらず、作業に手間取った航空会社の担当者から「航空券は漢字名で購入して」などと理不尽な言葉をかけられ、侮辱されたと感じた男性は航空会社に苦情を訴えた。

 原住民による民族名の使用は、2003年の「姓名条例」改正によって正式に法で認められており、台湾大学に通うこの男子学生が保有する身分証には民族名の「Nagao Kunaw」と漢字名の「陳睿哲」の2つが併記されている。

 男性は先ごろ、故郷の台東から台北へ飛行機で向かうため、民族名で立栄航空(ユニー航空)便の航空券を購入し、今月16日に台東空港へ向かった。空港到着後、身分証を使って自動チェックイン機を操作しようとしたところ予約が認識されなかった。このため彼は窓口でチェックインを済ませようと考え、立栄航空のカウンターへ向かった。

 しかし同社の担当者は、予約データに男性の漢字名が見当たらなかったことから、彼が航空券を購入していないのではないかと問いただした。そこで男性は担当者に対し、民族名が記されたレシートを提示したところ、その担当者は彼の民族名を「英語名」と勘違いし、英文の証明書の提示を要求した上で「なぜ漢字名を使わないのか」と疑問を投げ掛けた。さらに無事チェックインを済ませた男性に対し、「今度から漢字名でチケットの購入を」とくぎを刺したという。

 メディアの取材を受けた男性は、「飛行機を利用する際、民族名を使用することで自動チェックインができないという経験は何度かあるが、今回の立栄航空のような対応に遭ったのは初めて」と説明。その上で同社担当者によって彼の民族名が名前ではないかのような態度を示されたことで侮辱を受けたように感じたと心情を吐露した。

 今回のトラブルを受けて交通部は、台湾域内線を利用する際は身分証に掲載されている姓名であれば全て利用可能と説明し、交通部民用航空局(民航局)を通じて立栄航空に改善を要求とともに、その他各航空会社に対しても周知徹底を求めた。

 姓名は大切なアイデンティティー。男性は、こうしたことが再発しないよう、特に原住民の故郷がある台東などの空港では教育を強化してほしいと訴えている。