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山の斜面で自撮り、バランス崩して転落死


ニュース 社会 作成日:2017年4月25日_記事番号:T00070209

山の斜面で自撮り、バランス崩して転落死

 桃園市の山間部で24日、家族とのドライブを楽しんでいた女性が山の中腹の道路脇で休憩を取っていた際、コンクリート柵に腰掛けて美しい景色を背景に自撮り写真を撮ろうとしたところ、バランスを崩して約12メートルの高さから転落。頭を強く打って死亡する事故が発生した。

 市内の工場で働く葉治萍さん(50)は、前夫と離婚した後、女手一つで息子を育て上げた。そして息子が成人を迎えた後、知り合ったコンピューターエンジニアの男性と再婚。2番目の夫と息子の仲も良く、人もうらやむ「第二の春」を謳歌(おうか)していた。

 そんな中、家族全員の仕事が休みとなった24日、3人は話し合った結果、桃園市の山間部に位置する復興区へドライブに出掛けようと決まった。いざ車に乗り込み出発した3人だったが、正午ごろ、山道を走行中に葉さんが車に酔ったため、省道台7線の百吉トンネルの手前約100メートルの地点で停車し、一時休憩を取ることとなった。

 車を降りて外の空気を吸った葉さんは、周囲に美しい景色が広がっていることに気付き、写真を取ると家族に告げ、道路を挟んだ対面の歩道に向かった。そして自分のスマートフォンを取り出し、コンクリート柵に腰掛けて自撮りを行おうとした。

 これを見た夫が、自分が撮ってやろうかと口に出しかけたその時、葉さんは突然バランスを崩し、後ろ向きにひっくり返ってしまった。あわてて駆け寄った夫が歩道から下を見ると、そこはビルの5階ほどの高さがあり、葉さんはコンクリート製の地面にたたきつけられていた。

 夫の通報を受けて駆けつけた救急隊が葉さんをクレーンで引き上げた時、彼女は既に死亡しており、当時車の中でスマホを見ていたという息子も母親の変わり果てた姿に「今年は母の日(今年は5月14日)が祝えなくなった」と悲嘆に暮れた。

 車に酔っていたのに、わざわざ自撮りをしようというのは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)への投稿を意識した結果の悲劇なのか。山間部の観光地などで自撮りを試みて転落するなどの事故はたびたび起きているようで、桃園市消防局は、自撮りの際は周囲の環境に注意し、十分に安全を確保するよう呼び掛けている。