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五軽周辺住民、「2015年移転」の厳守要求


ニュース 石油・化学 作成日:2008年4月25日_記事番号:T00007030

五軽周辺住民、「2015年移転」の厳守要求


 台湾中油第5ナフサ分解プラント(高雄市楠梓区、通称五軽)の周辺住民は、蕭万長次期副総統が経済部長在任中の1990年に「25年後の移転」を確約したことを挙げ、公約通りに2015年までに同プラントを移転するよう強く求めている。25日付自由時報が伝えた。

 同プラントは行政院が石油化学産業の発展を目的として、87年に建設計画を発表。その後、地元住民の猛烈な反対運動に遭い、90年に25年後の移転を条件に着工にこぎ着けた経緯がある。

 地元住民はかつて着工を宣言した蕭万長氏が、自ら移転公約を果たすことを強く希望している。

 地元・稔田里の陳瑞輅里長は、「馬英九総統らがこの汚れた空気を吸いにロングステイに訪れることを歓迎する」と皮肉たっぷりに現状を訴えた。

 実際、同プラントによる環境汚染が原因とみられる健康被害は後を絶たない。プラント周辺では地下水に含まれるベンゼンの濃度が基準値の120倍に達しているほか、水中に含まれる有機化合物は20種類以上に上る。また、女性が咽喉がんにかかる確率は平均値の15倍にもなるという。

 このほか、台湾中油高雄工場で過去半年に3回も爆発事故が起きたことも住民を不安がらせている。

 住民らは今年1月から高雄工場の新北門で24時間の抗議行動を続けており、台北での抗議行動も検討している。