ニュース 金融 作成日:2017年5月3日_記事番号:T00070314
台湾元の対米ドル相場は3日午前、一時1米ドル=29.94元と、5営業日で3回目の30元突破となった。2日は一時29.98元を付けた後、前日比0.156元高の30.062元と、約2年半ぶり元高水準で取引を終えた。輸出型産業の機械業界からは、数億元規模の為替損失が見込まれると悲鳴が上がった一方、1年5カ月ぶり円安元高で、日本旅行予定者の両替が相次いだ。3日付工商時報などが報じた。
3日午前の取引は1米ドル=30.034元で引けた。専門家は、ホットマネーの流入が続き、台湾株式市場の加権指数が1万ポイントをうかがう動きが強まれば、近日中にも1米ドル=30元を突破する可能性があると予測した。
金融監督管理委員会(金管会)の統計によると、年初来4月末までで純流入は105億5,500万米ドルに上り、累計2,099億2,700万米ドルと過去最高を更新した。金管会は、大部分が台湾株式市場への投機資金で、株価上昇の原動力の一つと指摘した。
台湾証券交易所(証交所)の統計によると、2日の株式市場での買越額は111億元。業界関係者によると、約3億米ドルの外資が流入した。機械メーカー、赤字転落も
機械業界関係者は、第1四半期は対米ドルで6.4%も元高が進行したため、数千万~数億元の為替差損計上で、赤字に転落したメーカーも多いと推測した。
台中精機廠(ビクター台中・マシナリー・ワークス)の黄明和董事長は、台湾の工作機械は7~8割が輸出向けだと指摘。多くのメーカーが今年3月に開催された台北国際工具機展(台北インターナショナル・マシン・ツール・ショー、TIMTOS)で受注を獲得した際、米国が4月中旬に発表する為替操作国に認定され、1米ドル=31元に下落すると予想していたと説明した。しかし元高が続いた上、原料価格上昇や週休2日制(一例一休)導入による人件費上昇が追い打ちを掛けているとして、政府に対し1米ドル=31~32元への元安誘導を呼び掛けた。
ただ同社は現在15億元以上の受注のうち、台湾向けが4割、ユーロ建てが3割、米ドル建てが3割で、同業より影響は小さいもようだ。
日本円両替、2倍増
台湾銀行の現金売相場は2日、1元=0.2707円と、2015年12月18日以来の元高水準となった。日本円への両替は、平日の平均である12億円の2倍に達したようだ。
元高を受け、5日開幕の台北国際観光博覧会(台北ツーリズムエクスポ、TTE)は商機33億元を創出すると予想されている(2日=中央社)
旅行会社大手の雄獅旅行社(ライオントラベル)は、個人旅行の予定者はレートがいいときに両替しておくので、今年の日本旅行業務は好調が見込め、売上高は前年比20%増えると予測した。5月出発の東京往復航空券は1万元前後と、前年同期より3~4割上昇しており、航空会社も恩恵を受けそうだ。
【図】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722