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元TSMC技術者を起訴、28ナノデータ中国に持ち出し


ニュース 電子 作成日:2017年5月3日_記事番号:T00070316

元TSMC技術者を起訴、28ナノデータ中国に持ち出し

 台湾積体電路製造(TSMC)を今年初めに解雇された徐姓の技術者が、28ナノメートル製造プロセスに関する重要データを持ち出して転職先の上海華力微電子(HLMC)に渡した背任の罪で2日、新竹地方検察署に起訴された。3日付聨合報などが報じた。

 この技術者は2010年よりTSMCで勤務していたが、業務内容は28ナノプロセスとは関係なかった。同社は今年1月に離職申請を受けた際、技術者が28ナノプロセスに関するデータを不正に複写していたことを突き止め、検察当局に告発するとともに解雇処分を下していた。

 技術者はHLMCよりヘッドハンティングを受けていた。ファウンドリーの発展を目指す中国半導体業界は、ヘッドハンターを通じて台湾のハイテク人材を獲得しており、持ち出せるデータの重要度に応じて高給が提示されるという。台湾業界大手は軒並み引き抜き被害に遭っており、検察は台湾の給与水準が低いことを簡単に引き抜きに遭う理由に挙げている。

 交通大学科技法律学院の林志潔副院長は、膨大な研究開発(R&D)費をかけて育成した台湾経済の屋台骨を支える半導体産業が、一個人の利益のために打撃を受けることがあってはならないとして、「経済スパイ法」を制定して取り締まることが急務と主張している。