ニュース 社会 作成日:2017年5月4日_記事番号:T00070366
今年デビュー作となる小説を発表したばかりの女性作家、林奕含さん(26)が先月末に自殺した。これを受け、彼女の両親が「娘は8~9年前にある補習班(学習塾・予備校)の講師に性的関係を強要されたことを悩み、たびたび悪夢にうなされていた」との内容を含む声明を発表した。その後、インターネット上でこの講師を特定する動きが起きた結果、台南市や高雄市の塾で授業を持っている人気講師だと指摘する声が強まっている。
林さんは今年2月、自身初めての小説『房思琪的初恋楽園』を発表。しかし、先月27日、台北市の自宅で自殺を図り、亡くなった。その翌日、彼女の両親は出版社を通じて彼女の自殺の原因は塾講師に性的関係を強要されたことにあるとする声明を発表したため、たちまちネットユーザーによる「犯人探し」が始まった。
その後、ほどなくして林さんと性的関係を持ったのは台南市の樺薪補習班や高雄市の同心補習班で教壇に立っている国語講師、陳星(本名・陳国星)氏と指摘する声が挙がった。騒ぎとなって以降、陳氏は授業を行っておらず、既に中国へ雲隠れしたとのうわさも出ている。また事実を問いただした同僚に対し、同氏からはショートメッセージで「(林さんは)もう死んだのだから何を言っても意味はない」との返信が返ってきたという。
なお、林さんの死後、衛生福利部(衛福部)は各メディアに対し、「性侵害(性暴力)犯罪防治法」の規定に基づき、被害者の氏名を特定できる報じ方をしないよう通知を行ったため、これまで同事件の報道では「Aさん」や「C講師」などの呼称が用いられてきた。
しかし、これに対し「遺族が経緯を公表し、未来の被害予防を訴えているのだから、政府がこれを阻むべきではない」、「生徒に性暴力を働いた教師は『児童および少年福利・権益保障法(児少法)』の規定に基づき、氏名を公表すべき」などと批判が起きたため、衛福部は3日、「公益のため必要と認められる場合、死亡した被害者の個人情報を掲載することができる」とコメントし、方向転換した。
ただ、林さんの父親は3日、ネット上の掲示板に書き込みを行い、「娘のために努力してくれたことに感激している」とネットユーザーに感謝を示した上で、「娘のことを思うなら、彼女の願いを忘れないでほしい。それは特定の個人を責めることではなく、このような悲劇が二度と起きないようにすること」と塾講師を訴えるなどの措置はとらない考えを示唆(しさ)した。
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