ニュース 社会 作成日:2017年5月8日_記事番号:T00070418
8月19日の台北ユニバーシアード開幕まで約100日に迫る中、競技会場の建設の遅れが指摘されている他、選手のバス送迎、観客による中華民国の国旗、青天白日満地紅旗の持ち込みなどに問題が生じる可能性など、大会運営に懸念材料が持ち上がっている。
台北ユニバーシアードのチケットは6月13日から販売される。開幕式が行われる台北スタジアムで最高の席の料金は3,500元だ(中央社)
台北ユニバーシアードでは、台北市、新北市、桃園市、新竹県市の5県市60カ所の会場で競技が行われる。台北市政府はこれまで、全ての関連施設を4月末までに完成させると表明していたが、現時点でサッカー競技の会場となる新竹県第2運動場では依然として工事が続けられており、市政府も竣工(しゅんこう)は5月末にずれ込むと認めている。
これについてユニバ執行委員会は、同競技場は屋外施設のため、工事が天候に左右されやすいほか、新竹県には建設業者が少なく、工期の短い今回の工事の入札が4度も不成立となったことが遅れにつながったと説明した。開幕までの完成は間に合いそうだが、検収プロセスが簡略化されることになりそうだ。
また今大会には各国・地域から選手、スタッフ合わせて約1万2,000人が参加する予定で、選手村から競技会場までに送迎には車齢12年以内の大型バスが利用される。
ただ、これに対し「車齢12年のバスは古過ぎるのでは」と懸念する声が上がっている。しかし、市政府はピーク時には1日に700台のバスが必要となり車両不足が懸念されると説明。その上で、大会前に厳重な安全点検を業者に求めると強調した。
また国際大学スポーツ連盟(FISU)は選手村から競技会場までの移動時間を1時間以内とするよう求めているが、事前のテストで最も離れた会場までの移動には55分かかることが判明しており、渋滞や交通事故に遭遇した場合、1時間を超える可能性がある。
これについて執行委員会は、バスに全地球測位システム(GPS)を搭載して監視に努め、遅れが生じた場合はパトカーの先導により優先的に通行させるなどの対策を取ると強調した。
このほか、国際的なスポーツ大会において台湾は中国との政治的な関係から「中華台北」としての参加となり、中華民国の国旗、青天白日満地紅旗を使用することができない。しかし、教育部体育署の林徳福署長は先ごろ、「観客が青天白日満地紅旗をユニバ会場に持ち込むことは可能」との見解示しており、台湾代表が中国代表と対戦する際にトラブルが発生する可能性がある。
今回の台北ユニバーシアードは、台湾で開催される国際スポーツ競技会としては過去最高レベルの大会となる。果たして無事、成功裏に閉幕を迎えることができるだろうか。
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