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台湾人の20%が不眠
、病院での検査「4カ月待ち」も


ニュース 社会 作成日:2017年5月9日_記事番号:T00070444

台湾人の20%が不眠
、病院での検査「4カ月待ち」も

 台湾では近年、慢性的な不眠の症状を抱える人口比率が従来の10%から20%に上昇しており、睡眠障害を専門とする医療機関を訪れる市民の数が急増。中には検査を受けるために「4カ月待ち」というケースもあるそうだ。

 不眠症などの診察、治療を専門に手掛ける台北医学大学付設医院・睡眠センター主任の黄守宏医師によると、不眠は長期的または突発的なストレス、疾病などが原因となって発生するが、「今夜も眠れないかもしれない」との不安自体がストレスとなり、慢性的に眠れないという悪循環に陥るという。

 眠りについた状態の患者を検査する同センターの職員は、日中よりも夜間の方が業務に追われることになる。午後9時になり、検査予約を申し込んだ患者が就寝準備に取り掛かると、技術スタッフが頭や鼻腔、胸部、腹部に無数のセンサーを貼り付けたり、センサーから転送される患者のデータに異常がないかモニターをチェックしたりとせわしなく動き回る。

 そして患者が就寝中、呼吸、脳波、心電図、食道圧力、酸素濃度などさまざまなデータが記録されていき、これを基に医師が診断を下すことになる。

 黄医師によると、不眠の最大の要因は「いびき」だそうだが、そもそも台湾人の25%がいびきをかく上、現代社会では生活上、ストレスを感じる場面が多いことも重なり、睡眠センターを訪れる患者の数はますます増えているという。同施設では申し込みから睡眠検査を受けるまで最短で1カ月半、最長で4カ月間、待機する必要があるそうだ。

 なお同センターでは検査を通じ、中年男性の3~4%、中年女性の1~2%が睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されている。また台北栄民総医院(台北栄総)の睡眠センターでは、いびきをかく患者のうち約50%がSASと診断され、行動療法または扁桃腺や鼻腔の手術を受けている。

 台北栄総・耳鼻咽喉科の朱本元医師は、睡眠検査を受けても不眠の原因が突き止められず、解消できないこともあると説明。その上で、不眠に悩んでいる場合はまず、ダイエットや禁煙、禁酒を行った上で、ストレスの原因を除去するようアドバイスしている。