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作成日:2008年4月28日_記事番号:T00007045
呉伯雄国民党主席、6月訪中へ
国民党は26日、呉伯雄主席が6月初めにも中国を訪問し、胡錦濤国家主席と会談する見通しになったことを明らかにした。実現すれば、台湾の政権与党の現職トップによる初の訪中となる。同党関係者は、呉主席の訪中を国民党と共産党による党同士の直接対話と位置付けている。27日付中国時報が伝えた。
呉主席は「機は熟した」とした上で、「まだ正式な招待状は受け取っていないが、これは厳粛な問題であり、物見遊山ではない」と強調した。
注目される胡主席とのトップ会談での議題については、「協議中であり明らかにできない」(同党関係者)とした。ただ、馬英九次期総統が7月4日に中台間の週末チャーター航空便運航と中国人観光客の台湾訪問解禁の実現させる方針を示していることからみて、呉主席は当局間の交渉の一翼を担うことになるとの見方が有力だ。
これに先立ち、同党の連戦名誉主席は28日から、次期海峡交流基金会董事長の江丙坤副主席が5月25日にそれぞれ訪中する。
党首脳の相次ぐ訪中は、呉主席訪中への地ならし的な意味合いがあるとみられる。呉敦義秘書長は、「連戦名誉主席による訪中の基礎を重視しつつ、現職主席である呉主席による訪中を中心に据える」と説明した。
一方、28日から訪中する連戦名誉主席は、胡錦濤国家主席と会談を予定している。今回の訪中には、鴻海集団の郭台銘董事長、中国信託金融控股の辜濂松董事長、潤泰集団の尹衍リョウ総裁(リョウはきへんに梁)、裕隆集団の厳凱泰執行長らが財界有力者が同行している。
連戦名誉主席は30日に北京を離れ、重慶、武漢などを訪問した後、5月6日に台湾に戻る予定だ。