ニュース
その他分野
作成日:2008年4月28日_記事番号:T00007046
勤労者の65歳定年法案、立法院で可決
勤労者の強制定年退職年齢を現在の60歳から65歳に延長することを柱とする労働基準法改正案が25日、立法院で可決された。労基法改正による定年延長は1984年以来初めて。26日付聯合報が伝えた。
就職あっせん業界関係者は、高齢者の定年延長で若者の雇用が減り、企業の「老化」が進むのではないかと懸念している。企業の間では人件費を削減するため、早期退職制度などを導入する動きが表面化しそうだ。
中華民国全国工業総会の陳武雄理事長は、「定年延長による影響は業界ごとにさまざまだ。ただ、全体として人件費増加につながり、企業の新陳代謝が遅くなるため、若者の就職や昇進には不利だ」と指摘した。
中国生産力センターの張宝成総経理は「体力を使う業務でみだりに定年を延長すれば、職場の安全に懸念が生じる」と指摘した。
公営企業は定年延長による影響を最も受ける。台湾電力は60歳定年の場合、今年と来年が定年ラッシュとなり、それを補うため570人の大量採用を実施したばかりだ。しかし、労基法改正で定年対象者は退職の必要がなくなり、新入社員のポスト確保が困難な状況に陥る見通しだ。
中国鋼鉄は職種によって退職年限に差があった。体力が必要は現場作業員は60歳、一般管理職は63歳、幹部管理職は65歳という具合だった。しかし、今後は一律65歳定年となるため、現場作業員を内部事務部門に配転する必要が生じる。