ニュース 社会 作成日:2017年5月10日_記事番号:T00070470
今年1月に台北市で運行を開始した2階建て観光バスの利用が伸びていない。これまで4カ月間の乗客数は累計延べ3万6,405人、1日当たり平均300人前後にとどまっており、特に平日はほとんど客が乗っていない状況で、運行ルートや施設面の改善を求める声が上がっている。
不振の2階建て観光バス。台北は街の風景があまり美しくないことも原因ではないだろうか(9日=中央社)
台北市の2階建て観光バスは、士林官邸や故宮博物院など9カ所を巡る「藍線」と、臨江街観光夜市(通化街夜市)や台北101など15カ所を巡る「紅線」の2路線合わせて1日に35便が運行されている。1台当たりの座席数は57席のため、1日に最大2,000人近くの利用が可能となっているが、現状では15%程度しか席が埋まっていないことになる。
9日に同バスの視察を行った台北市議からは、運行ルートが路線バスとほとんど変わらず、観光客向けの特色がないと指摘する声が上がった。特に「紅線」で「審計(監査)部」前に停車することに対し「観光客が審計部に何の用があるというのか」との批判が出て、近くに位置する観光スポット、華山1914文化創意産業園区(華山1914クリエーティブパーク)寄りの地点に停車場を変更すべきとの提言がなされた。
なお同バスは2階部分の屋根が可動式のオープントップ型となっており、今回の視察で小雨が降った際は屋根が利用されたが、この屋根はバスをいったん停車させ、運転手が2階で手作業で広げる必要があり、「時間の浪費」「大型バスの臨時停車は危険」といった指摘が上がり、電動式に変更すべきとの提案もなされた。
このほか、▽音声ガイド用イヤホンのコードが短い▽座席の座り心地が悪い▽荷物を置く場所が少ない▽運賃が高過ぎる──といった問題点が指摘された。
運行ルートについては台北市観光伝播局の簡余晏局長も「最も頭が痛い問題」と認め、変更には交通当局の承認が必要となるが、規制緩和を実現して改善を図りたいとの考えを示した。
一方で簡局長は利用者数について、4月に早朝や夜間の便で運賃を100台湾元に引き下げるキャンペーンを実施したことで同月末には多くの便で満席となったと説明。5月も1日の平均乗客数は延べ418人に増加していると強調した。
なお観光伝播局では、今月12日の母の日を記念して13日(土)と14日(日)には母親を同伴しての乗車にカーネーションをプレゼントするイベントを実施するなど、今後もマーケティング活動に注力し、2階建てバスの知名度向上に努める方針だ。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722