ニュース 電子 作成日:2017年5月11日_記事番号:T00070477
11日付電子時報によると、ファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は製造難易度とコストの高い10ナノメートル製造プロセス製品の受注を打ち切り、12ナノに注力するもようだ。同社の12ナノ製品はコスト面と省電力性でライバルであるサムスン電子の14ナノ、グローバルファウンドリーズ(GF)の12ナノFD-SOI(完全空乏型SOI)を上回っており、当面、12ナノを主力として攻勢を強めていくとみられる。
TSMCの10ナノはこれまでに、▽アップル▽聯発科技(メディアテック)▽深圳市海思半導体(ハイシリコン・テクノロジーズ)──の受注を獲得した。業界関係者によると、メディアテックの次世代ハイエンドチップ「Helio X30」と「P30」は高価格のため競争力が低く、中国のスマートフォンブランド、魅族科技(メイズ)以外からの大型受注が獲得できなかったもようだ。メディアテックは10ナノで予定していた通信プロセッサー用チップを、既に12ナノに計画変更したとみられる。
TSMCの12ナノはメディアテックの他、▽エヌビディア▽慧栄科技(シリコン・モーション・テクノロジー)▽ハイシリコン──といったIC設計大手から受注が相次いでおり、フル稼働で生産しているようだ。
4月減収幅33%、過去最大
TSMCが10日発表した4月連結売上高は568億7,200万台湾元(約2,150億円)で、前月比33.8%減、前年同月比14.9%減だった。売上高は過去3年1カ月で最低、前月比減少幅は過去最大だった。
同社は減収の要因として、▽大手顧客の新旧製品の端境期▽半導体サプライチェーンの在庫調整▽台湾元高──を挙げた。大手顧客は、アップル、エヌビディア、メディアテックを指すとみられる。
同社は、売上高は4月が谷底で、第2四半期は目標額の2,130億~2,160億元(前期比8%減)を達成できるとの見方だ。張忠謀(モリス・チャン)董事長は第1四半期の決算説明会で、顧客が集中しており各社の動向が業績に影響しやすいと説明しつつ、第2四半期の減収予測を示していた。
証券会社は今後の展望について、大手顧客のアップルとエヌビディア向けの生産が6月から増加するため、下半期は業績好調が見込めると予想した。
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