ニュース 政治 作成日:2017年5月12日_記事番号:T00070518
5月20日の蔡英文政権発足1周年を目前に控え、旺旺中時民調中心の世論調査で、蔡総統の施政に対する満足度が28%と、30%を割り込んだ。政策に対する評価は、一例一休(週休2日制)、低賃金問題など全項目で不満足度が満足度を上回った。中台関係、台湾経済が悪化したとの回答は過半を占めた。中国時報系は中国および国民党寄りのため、実際以上に悪い数値が出された可能性があるが、蔡政権はあらゆる世論調査で評価が低い。発足当初は期待値が高かったものの、経済的な恩恵を感じさせられておらず、1年目の成績表は「不合格」となったようだ。
12日付中国時報によると、世論調査(有効回答1,016件)は今月3~5日に実施された。蔡総統の就任日(昨年5月20日)の満足度は52.5%と過半で、不満足度は5.9%にすぎなかったが、就任100日目(昨年8月23日)は満足度41.4%、不満足度40.4%と拮抗(きっこう)し、今回は不満足度が54.3%と、満足度を26ポイント上回った。
蔡総統。生活の質向上や経済回復が実感できない限り、支持離れは止まらない恐れがある(11日=中央社)
支持政党別では、民進党支持者の満足度は61.6%となんとか合格点だったが、中間層の満足度は22.4%で、不満足度は51.3%に上った。
年齢別では、20代の満足度は32%、30代は32.9%と比較的高く、40代は20.6%と最も低かった。60歳以上は28.5%だった。
地域別では、民進党の地盤である高雄・屏東・澎湖で満足度が37.7%に上ったものの、不満足度が42.1%で上回った。雲林・嘉義・台南は不満足度が53.6%、桃園・新竹・苗栗は52.2%だった。
一方、蔡政権の今後の施政に対する信頼感は、「ない」が56.1%で、「ある」の35.7%を上回った。「信頼感がある」は昨年5月が62.7%、昨年8月が51.7%と低下が続き、「信頼感がない」は19.4%、41.5%と上昇している。
経済悪化、中高年ほど実感
政策に対する世論調査では、一例一休に対する不満足度71.8%が最も高く、満足度18.4%を大きく上回った。支持政党別で、民進党支持者も不満足度が50.4%と、満足度45.7%を上回った。地域別では、高雄・屏東・澎湖の不満足度が70.7%に上り、満足度は13.5%で最も低かった。
低賃金問題の解決は、不満足度68.7%に対し、満足度は16.7%にすぎなかった。支持政党別では、民進党支持者も不満足度44.7%と、満足度43.8%をわずかに上回った。
台湾経済が悪化したとの回答は52.2%で、「変わらない」が23.2%で、改善は10.9%だった。悪化の回答は、年齢別で50代が61.1%で最も高く、40代は57.7%、20代は46.4%だった。経済的負担の大きい中高年ほど高いようだ。
中国に誠意、必要56%
中台関係が「悪化した」との回答は65.7%に上り、「改善した」は8.6%、「変わらない」が16.2%だった。支持政党別では、民進党支持者は「悪化」が48.9%、「改善」が15.3%、「変わらない」が28.3%だった。無党派層は悪化が61.2%、「変わらない」が9.1%だった。
東南アジアやインドとの関係強化を目指す「新南向政策」については、不満足度が49.2%、満足度が31.1%と、それほどは評価されていないようだ。
一方、蔡総統が1周年就任演説で中国に誠意を示すべきかとの質問では、「必要」が56.1%、「不要」が27.7%だった。民進党支持者も、必要が42.8%、不要が48.2%だったという。蔡政権が1992年の共通認識(92共識)を認めず、中国人観光客が減少したり、世界保健機関(WHO)の年次総会、世界保健総会(WHA)の招待状が届かない中、中台関係の改善を望む声も少なくないようだ。
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