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ASUS、スマートウオッチ開発中止か


ニュース 電子 作成日:2017年5月15日_記事番号:T00070528

ASUS、スマートウオッチ開発中止か

 15日付電子時報によると、華碩電脳(ASUS)は腕時計型ウエアラブル(装着型)端末(スマートウオッチ)「Zen Watch」の新モデル開発を中止したとみられる。現行モデルのZen Watch3は月5,000~6,000台しか売れておらず、リソースをより潜在力の高い製品に投じる方針のようだ。市場全体の成長が予想を下回っており、今後、ASUSにならって他メーカーの撤退が相次ぐのか注目される。

/date/2017/05/15/00ASUS_2.jpgZen Watch3の価格は7,990元。TPOに合わせてベルトを交換できる(ASUSリリースより)

 ASUSは2014年にスマートウオッチ市場に参入し、昨年に現行のZen Watch3を発売。アクティブマトリックス式有機EL(AMOLED)パネル採用や交通系ICカード「悠遊カード(イージーカード)」機能を導入するなど性能を引き上げたが、販売は思ったほど伸びなかったようだ。

 サプライヤーによると、同モデルは当面、和碩聯合科技(ペガトロン)が受託生産を続けるものの、Zen Watch開発チームは既に解散し、他製品開発に配置転換されたようだ。業界関係者によると、ASUSは市場規模拡大にはまだ時間がかかると判断し、スマートウオッチ開発の優先度を引き下げたとみられる。

20年の市場規模、2.4億台

 17年第1四半期のウエアラブル端末の世界出荷台数は2,200万台で、前年同期比20.9%増だった。

/date/2017/05/15/01top_2.jpg

 アップルの「アップルウオッチ」は350万台でシェア15.9%。2位以下は、小米科技(小米、シャオミ)が340万台(シェア15.5%)、フィットビットは290万台(13.2%)だった。

 市場調査会社のIDCの統計によると、ウエアラブル端末の16年世界出荷台数は1億台余りと、前年比38.2%増となったが、17年以降増加幅が縮小し、20年は約2億4,000万台にとどまるとみられる。

 業界関係者は、スマートウオッチはスマホと組み合わせなければ十分な性能を発揮できないことが問題点と指摘。アップルウオッチの製造を手掛ける広達電脳(クアンタ・コンピュータ)の梁次震副董事長は、既存のスマートウオッチには画期的な機能がないとした上で、健康管理機能に重点を置いて開発を進めれば魅力の高い製品になると分析した。ただ米国食品医薬品局(FDA)の認証を取得する必要が出てくるなど、開発期間が長くなることがボトルネックとなりそうだ。

 梁副董事長はまた、スマートウオッチは第5世代移動通信システム(5G)を通じてクラウドシステムなどとの連動が期待されるとした上で、現時点ではまだ開発に時間が必要だと話した。

【表】