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作成日:2008年4月28日_記事番号:T00007054
自動車販売不振、部品業界を直撃
台湾の自動車販売市場は、今年も低迷が続いており、自動車部品業界では従業員削減や操業シフト見直しなどを進める動きが出ている。金型業者には倒産する業者も出始めており、販売低迷が下期まで継続すれば、自動車部品業界に大きな影響を与えることになりそうだ。
28日付経済日報によると、OEM(相手ブランドによる生産)を手掛ける大手部品メーカーは数年前には3シフト制でフル稼働していたが、現在は午後6時を過ぎると構内に人の姿は見られないという。
昨年の新車販売台数は市場全体で32万6,800台。業界関係者は「市場は2年間で40%も縮小した。年初にメーカー各社は昨年こそ底入れしたと期待していたが、いまだに春は来ない」とため息をついた。
板金大手の瑞利企業は、市場低迷を受け、OEMからの脱却を余儀なくされている。今年上期のOEM受注額は前年同期比30%減少した。このため、保守点検などアフターサービス市場に力を入れ、同市場の売上高はOEMの2倍に達した。
自動車用ライトを生産する大億交通工業は、提携先の小糸製作所の支援を得て、日本市場の開拓に乗り出した。1~3月期の売上高は17.8%の伸びを示したが、利益率は低下しているという。同社は輸出比率を30%まで引き上げ、苦境を乗り切りたい構えだ。業界関係者は、「大億が輸出拡大で設備稼働率を引き上げても、OEM市場の損失をカバーするには至らない」とみている。
一方、カーエアコンを生産する永彰機電は、顧客が中華汽車、裕隆汽車に集中しているため、両社の販売不振による影響をまともに受けている。1~3月期は30%近い減収となり、創業以来初の赤字に転落した。